衆院選の仕組みを2つの図解でおさらいする
チャーリーです。
衆議院議員総選挙(通称「衆院選」)の仕組みを2枚の図解にしてみました。第49回の衆院選がいよいよはじまりますが、意外と衆院選の仕組み、ぼんやり知っている人が多いのではないかと思い、図解してみた次第。
尚、これは雑誌「THE21」での連載で掲載したものを、衆院選が近いのでぜひ図解だけ早めに一般公開できないかと掛け合い、快諾いただいたので、掲載しました。ありがとうございます。
雑誌の方には図解だけでなく取材いただいたしっかりめの文章も載ってるので、ぜひみてみてください。この記事には図解の補足の文章だけ書きおろしてます。
そもそもまずは衆院選がどういう仕組みなのか?全体の概要が1枚目のこちら。「小選挙区」と「比例代表」という2つの仕組みにわかれています。
全部あわせて465人を選挙で決めるにあたって、289人は小選挙区、176人は比例代表で決めることになっています。まずは小選挙区の仕組みからみていきます。
小選挙区の方はかなり単純で、有権者は区ごとに候補者の名前を書き、区のなかで最も票が多い人が当選します。これはまあわかりやすい。
しかし比例代表。何を言ってるかわからない。有権者は政党の名前で投票して、政党ごとの当選数が票の数におうじて決まり、順に当選していく仕組みだと。ふむ。わかるようでわからんような。
たとえば、
・X党が50万票とりました
・Y党が35万票とりました
・Z党が20万票とりました
となったら、
X党:4人当選
Y党:3人当選
Z党:2人当選
みたいなことになる(数は適当です)。なんとなく、政党が得た票に比例して当選の数が決まるのか、ということまではわかる。そうなるとじゃあ、どういうふうに数が決まるのか気になる。そこで次の図解。
こちらの図解は、比例代表がどうやって当選の数を決めてるのかを表したもの。これはベルギーの数学者であるヴィクトル・ドントさんが議席をうまく配分するために1878年に考案したらしく、ドント方式と呼ばれている。
それぞれの政党が得た票を、1から順に割っていき、割った数の多い順で当選数、すなわち獲得議席が決まるというもの。
図解の中でみると、それぞれの党を1で割った数字は、50、35、20、15となるが、2で割った数字ではX党が25なので、この時点でZ党の1で割った数である20よりも大きい。そのため25のところが3番目になり、この順番を定員の数だけ数えたときに、何人含まれるかが当選数になる。
文章で書くとやっぱりなかなかわかりにくいですねこれは。図の中には、1から4まで割った数を書きまして、数字をならべてます。
まあこの図自体はドント方式を説明するためによくつかわれている見栄えなので特別なことはないのですが、あえて2枚に図解を絞るとなると、やっぱり比例代表の仕組みがわかりにくいので、この2枚がいいかなと思い、そうしました。
図解を2枚にしている理由は、単純に紙面上の面積の問題なので、note記事にするとなるとその制限はないのですが、もしこの記事に反響があれば、もっとじっくり説明するための図解を適宜追加できたらいいなと(できるかな...)。
「THE21」での連載で掲載した文章には、なぜ小選挙区で落ちたのに比例代表で「復活」当選するのかとか、なぜ小選挙区制と比例代表という2つの仕組みが並列しているのか、みたいなことにも少しだけ触れてます。興味があればお手にとりください。
もし何か記事中の内容に誤りや誤解を生みやすい部分などありましたら、直しますので教えてください。
ということで、衆院選の仕組みを2つの図解でおさらいする、の記事でした。連載でつかった他の図解も、ご好意で公開していいとのことなので、今後公開していきたいと思います。
以上です。