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ITエンジニアにとってリモートとは…「選択と集中」である

ITエンジニアの皆さん、コロナ禍において強制リモートワークが行われましたが、緊急事態宣言が明けて6月に入り、その後いかがお過ごしでしょうか?

ITエンジニアのリモートワークの状況から想像される未来を思い描いてみます。

【beforeコロナ】リモートワークの立ち位置

私は、コロナ禍以前はリモートワークとリアル出社は半々くらいでした。打ち合わせはリアルな場での対面を重視していたので、基本出社していました。

私の周囲のITエンジニアの方々は、コロナ禍以前から大多数がリモートワークを礼賛しており、その礼賛の度合いが礼賛を超えて最早その存在が宗教的な輝きを放つほどになっているように思われます(あくまで個人の観測範囲)。

とはいえ少数派ながら、リモートワークについてやりづらさを抱えている方々もいることもまた事実ですね。リモートワークについて以前から聞いていた課題感は以下のような感じです。

①子供が打ち合わせや集中作業中に乱入してきて仕事にならない
②パートナーもリモートワークで打ち合わせ用の個室スペースがない
③集合住宅のネットワーク環境があまり良くない

【withコロナ】リモートワークにおける工夫

私は、ITエンジニアの妻と2人暮らし&お互いフルリモートなので前述の課題だと②が該当します。うちはリビングだけじゃなく、寝室/ベランダなど複数の仕事用スペースを自宅内に作ることで対策しています。

リビングの仕事用スペースも各自のデスクのみならず、ダイニングテーブルを電動スタンディングデスクにして変化をつけられるようにしました。気分転換になって良いです。スタンディング状態で妻と作業やってると、もくもく会してる気分になれて幸せが訪れます。

周囲のITエンジニアを見渡すと緊急事態宣言中は強制フルリモート、明けて6月いっぱいまでは基本フルリモートなノリのところがほとんどの印象です。

まだまだ第2波が心配ですが、よりコロナが収束した場合にこのリモートワークの状況がどう変化していくのか注目ですね。

【afterコロナ】フルリモートは加速する(して欲しい)

少なくともITエンジニア界隈では、フルリモートを歓迎する声が圧倒的多数なんじゃないかと思え、その意味ではフルリモートでの働き方は加速していくのは間違いないんじゃないかと。

これまで周囲で観測しているITエンジニアからの声をお届けします。ただし自分の意見も多分に盛り込まれており、多分に恣意的であることもご了承ください。だってフルリモートで働きたいんだもん。

・自宅で集中できる環境を整備したら自宅の方が快適になった。
・通勤がなくなってストレスから開放された。
・リモートになって無駄な会議がなくなった。
・オフィスだと雑談と称して声をかけられて集中力が途切れることがあったけどなくなった。

ここで大切なのは、この語尾に「だから生産性があがった。」がすべて含まれるという点!

ところで6月に入って逆に「【悲報】5月でリモートが終了した件」みたいなツイートを目にすることがあったのでちょっと残念です。世の中の【悲報】を撲滅したいなぁ。

リモートで働く未来①選択と集中

そもそも、副業をやったことのある人ならわかると思いますが、リモートを前提とした仕事の設計があるんですよね。副業にも色々種類はあると思いますが、ITエンジニアが手掛ける副業ってコロナ禍以前から基本フルリモート前提のものが多い。

副業人材って、基本住まいや生活リズムがバラバラ。なので、同じ場所に集合するのが現実的じゃなく、結果フルリモートになることがほとんどです。特に、働く時間がバラバラだとコミュニケーションも非同期(≒リアルタイム性は期待できない)なので、slackなどを駆使してテキストベースで仕事が進むようになります。

それが自然な形です。

副業でこれができていて、本業でこれができない訳がない!

特にITエンジニアの仕事は本来、集中力が必要なクリエイティブなものです。一方、いくら打ち合わせをやったところで、形あるプロダクトは生まれない。

無駄な移動や打ち合わせをできるだけやらず、クリエイティブな仕事に専念する「選択と集中」が今ほど求められている時代もないんじゃないかと思います。

リモートで働く未来②打ち合わせのリモートvsリアル

副業でkiitokというITエンジニア向けサービスで1on1をやってます。1on1時は、コロナ禍以前からZoomを使っていました。私は、1on1に限らず1対1(1人⇔1人)の打ち合わせは、初対面の方も含めて6年ほど前からオンラインで行っています。

ネットワーク環境の問題がある場合を除いて、ほぼリアルでの対面と変わらない感じで行うことができると思います。なので所謂「サシ」での打ち合わせはオンライン一択で良いと結論しています。

一方で複数人⇔複数人の打ち合わせをオンラインでやるのはしんどい場面が少なくないです。なので以下の選択をする必要があるかなと。

・何らかのルールを課す(ex.できるだけビデオON/挙手などのリアクション/チャット併用)
・できるだけ人数を減らす(コミュニティを小さくする)
・そもそもその打ち合わせをなくす(会議の目的を再考する)

個人的にはリアル対面の重要性について価値を置いている派です。しかし、実務遂行の意味では「リアル対面を不要」とする仕事の設計にする方が、市場競争力や採用力が上がったりして良いこと尽くめなんじゃないかと。

リアル対面は最早「半期〜1年に1度くらいの懇親会のみ」って感じが正解だと思っています。「仲良くなる」ことを目的とする場合のみにする、かつ、「仲良くなる」ことも強制はしない、みたいな運用が良いのかも。

あと5Gが今後普及していくと思いますが、さらにネットワーク環境が良くなってホログラム技術などが進化すれば、多人数でオンライン打ち合わせする際のストレスも軽減される可能性がありそうです。

リモートで働く未来③職探しはオンラインがベースに

就職活動や転職活動は、基本「はじめまして」の打ち合わせが多いです。そういう薄い繋がりは、オンラインから入る方が自然ですよね。何も「新しい生活様式」とか政府から言われなくてもわかることです。

仕事だけじゃなく、あらゆるコミュニティがその親密度によってオンラインからオフラインに徐々に切り替わっていく。これは学校教育でこれまで「顔が見えないSNSなど、オンライン上で知り合った相手とは絶対に会わないように」と教えている内容とは一線を画します。

職探しがオンラインになっていくにあたり、他にも以下のような変化が起きるんじゃないかと思います。

・欧米のようにリファレンスチェック(一緒に働いた人にヒアリングすること)が増える
・レジュメをオンライン上で公開する人が増える
・ゆるく繋がれるコミュニティから仕事に繋がる

そういえば、「採用プロセスそのものが再定義されていく」という話、私がやっているポッドキャストでも話したので、もし興味がある方は聴いてみてくださいね。

リモートによる働き方の変化の本質

リモートという働き方が広がっていくと、組織や管理の都合でやっていた仕事が、実は無駄だったという不都合な真実に気づかされます。

・上層部に報告するための資料をまとめなければならない
・上層部から開示された情報のうち、リーダー向けとメンバー向けの情報を取捨選択して開示しなければならない
・定例会議までに報告のための資料を更新しなければならない
・メンバーが有効に時間を使えているか監視しなければならない
・メンバーが具体的に働けるように指示書を作成しなければならない

前述の通りですが、ITエンジニアの仕事は本来、クリエイティブなものです。ウォータフォール型開発でいうところの中間成果物の価値を認めつつも、動くプロダクトの価値の方に重きを置くべきなのは、アジャイルソフトウェア開発宣言によって明らかです。

なのに、まだまだ現場には何かしらの中間成果物に重きを置く「組織の論理」「管理の論理」が根強くあります。

リモートワークの普及によって、組織や管理のために必要とされていた仕事は淘汰され、より本質的な仕事(エッセンシャル・ワーク)に重点が当たっていくでしょう。

というか、ITエンジニアが本来持つクリエイティブな側面を大切にする文化を広げて行きます!

クリエイティブを応援するポッドキャスト(CEO.FM)の制作やクリエイティブを支援していきます。