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ドロステのはてで僕ら

とある雑居ビルの2階。カトウがギターを弾こうとしていると、テレビの中から声がする。
見ると、画面には自分の顔。しかもこちらに向かって話しかけている。
「オレは、未来のオレ。2分後のオレ」。
どうやらカトウのいる2階の部屋と1階のカフェが、2分の時差で繋がっているらしい。
“タイムテレビ”の存在を知り、テレビとテレビを向かい合わせて、もっと先の未来を知ろうと躍起になるカフェの常連たち。さらに隣人の理容師メグミや5階に事務所を構えるヤミ金業者、カフェに訪れた謎の2人組も巻き込み、「時間的ハウリング」は加速度的に事態をややこしくしていく……。
襲いかかる未来、抗えない整合性。ドロステのはてで僕らは ――。

 ヨーロッパ企画の初のオリジナル映画。
 ヨーロッパ企画は京都に拠点を置く劇団。舞台作品を映画化した「タイムマシン・ブルース」はとても面白かった。そして今回の映画。

 映画を観ているはずなのに、舞台を観ている感覚。
 凄そうでそんなに大したことがないはずの2分先が見えるテレビ。
 現在と未来、そして過去が重なって行く面白さ。と複雑さ。

 オープニングからの長回しも良かったし、対決シーンもよかった。未来に引っ張られながらも、決められた未来を断ち切って、ハッピーエンドを迎えそうな終わり方もよかった。

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