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罪と罰 ~よしもとの問題~を考える。

こんにちは。採用担当の小山です。

今話題の吉本興業のいわゆる「闇営業」問題、
そして、人気タレント雨上がり決死隊の宮迫さんと
ロンドンブーツ1号2号の田村さんの
謝罪会見などを
見て、思うことを書いていきます。

主に、謝罪会見の発表ベースに書いていきます。

1.影響が大きすぎるタレントとして守ること

① 反社会勢力とのつながり
② 会社内での契約・コンプライアンス「闇営業」
③ お金をもらっていないという嘘
④ 謝罪会見
⑤ 本当に伝えたったこと?

① 反社会勢力とのつながり
暴力団追放法条例などもあり条例や道義的に、特に、社会への影響のあるタレントが、反社会的勢力とのつながりをもつのは、ダメなんだというのは、社会の流れのようなもので、それに関して、異論がないことことかと思います。

つながりの程度の問題かと思います。
そもそも、相手が反社会的勢力だと認識していなかったと言っていますね。

「つながっている」という故意はないわけですね。

ただ、あとから、知って、確かによくなかった(罪ではある)のだということはタレント側の宮迫さん、田村さんも理解しているわけです。

② 会社内での契約・コンプライアンス「闇営業」
問題になっているのは、お金を受け取ったのかどうかになっています。
この点は2つ問題があって、1個は、会社を通さずに、直接、お金を受け取ったこと、これを闇営業といっていますが、これは、会社とタレントとの契約関係上の問題です。

もう一つは、そのもらったお金は、詐欺の被害から奪い取ったお金かもしれないという道義的な問題です。

闇営業で、タレントが行ったことなので、タレントの不祥事ですが、もしも、今回が、吉本興業の活動だったとすれば、企業の不祥事なので、別の問題になります。ただ、今回は、単なるタレントの不祥事ではなくなったので、問題が大きくなった気がします。

③  お金をもらっていないという嘘
吉本興業と、宮迫さん・田村さんの間の溝を大きくしているのは、この点が実は一番大きいように思えます。

宮迫さん・田村さんは、その反社会的勢力の会合に参加して、当初お金をもらっていないと主張しました。

ところが、報道が過熱していく中で、嘘をついていることが苦しくなって、あとから、実はお金はもらっていたとします。

④ 謝罪会見

実は、一番の吉本興業と、宮迫さん・田村さんの意見が食い違っているのは、この点のように思えます。

謝罪会見を開いて真実をつたえたいとする宮迫さん・田村さんに対して、吉本興業側からパワハラ的な発言があったことが一人歩きしてしまっていますが、謝罪会見を開くこと、時間、方法などについて折り合いがあわずに、自分たちで、記者会見を開くわけですね。

⑤ 本当に伝えたかったこと?

パワハラ的な発言を暴露したクーデターのように報じられていますが、
宮迫さん・田村さんが伝えたかったものとは違うように感じます。

本当に伝えたかったものについて、会見でこう伝えています。

**宮迫:事実ではあるにしても、こんなことを言う会見をしたかったわけではないんです。僕たちは、詐欺被害にあわれた方々であったり、世の中の僕らを信用して笑ってくれていた方々に謝罪したかっただけなんです。

ただ事実を細かく言うと、こういう形になってしまっているのは正直、不本意なのですが、大阪人に生まれて、子どもの頃からたくさん笑わしてもらっている吉本興業に18歳で入らしてもらって、こんなアホを30年間育ててくれた吉本興業に対しては、そりゃ感謝しかないですよ。感謝しかない……。こんなことしたいわけないじゃないですか(嗚咽する)。すみません。**

亮:僕も本当に宮迫さんと一緒です。ずっと宮迫さんと記者会見をやりたいと言ってきたことも、会社を攻撃するなんてことは一ミリも考えていなかったです。自分たちを育ててくれた会社に対してそんなことを思っていない気持ちすら伝わっていない。

攻撃するつもりはなかったのに、結果として、攻撃してしまって、広がってしまっているように感じます。

意図せずに、結果として、クーデターのようにとらえられていますが、守りたかったもののひとつは、本当は、吉本興業だったのではないかと感じます。

吉本興業の後輩。先輩。そして、吉本興業のタレントを通じて、笑ってくれる多くの人たちの笑顔のために、宮迫さん・田村さんが、本当に守りたかったものは、吉本興業だったのではないかと思います。

意図せずに伝わってしまっていることが、残念ですね。

2.罪と罰

タレントが、仕事とは別の場で、未成年に飲酒をさせた、飲酒運転をしたなどの行為は、タレント個人の違法行為(罪)です。刑事罰であれば、経常の罰や刑事上の罰ではないにしろ、マネジメントをしている企業として、タレントにしかるべき(罰)を与えるのは、企業マネジメントとしてするべきことです。

島田紳助さんの引退の件は、刑事罰ではないですが、反社会的勢力との関わりという道義上の罪であるということに関して、

罪であるということをしなかったために、

罪だということをはっきり後輩に伝えるために、
引退という、自分で自分に与えることができる最も大きな(罰)を
自分で選んだといっていますね。

今回は、単に、タレント不祥事ではなかったというのが、問題をより大きくしたように感じます。

3.影響が大きすぎる企業として、守ること

企業の不祥事は、ともすると、企業の倒産になりかねません。
これは、吉本興業も同じでしょう。

1912年にはじまり、100年を超えて、存在し、古今東西に、芸能文化の担い手として、続いてきている。テレビでよしもとのテレントを見ない日がないというほど、テレビに大きな影響を与えています。

所属タレントは、6,000人以上の日本最大のタレント事務所です。
「芸人になること」の夢を与え続けてきたタレント養成所です。

文化の担い手として、社会にあまりに大きな影響をもってしまっており、もはや潰れてはいけない存在となっています。

今回は、タレントの不祥事と企業の不祥事が絡み合っている点が問題になってしまったように思います。

タレントの不祥事と企業の不祥事

当初「お金をうけとっていなかった」をあとから「お金を受け取った」にかわってしまったことで、適切な状況把握ができていなかったという会社としてのマネジメントの問題、いわば、企業の不祥事にかわりかねなくなってしまったというのが、大きな問題のように思われます。

そして、だからこそ、企業の問題として、吉本側も弁護士と話をし、どのように情報開示をするのかを話をしていたのではないかと思います。

タレントの不祥事として、事実を伝えたい、誠意をみせたいとする宮迫さん・田村さんと、企業の不祥事として、リスクマネジメントに配慮した対応を考える吉本側の間に、溝が起きてしまったように感じます。

「記者会見を開きたい」に対するパワハラ発言の真意

「亮、ええよ、お前辞めて1人で会見したらええわ、やってもええけどそんなら全員連帯責任でクビにするからな。それでもええんなら記者会見やれ」と言われました。「俺にはお前ら全員クビにする力があるんや」と。

この発言だけがひとり歩きをして、よしもののパワハラという新しいの罪の疑惑を生んでしまいました。

ただ、この発言の真意はなんだったのでしょうか?

決して、パワハラ発言を擁護するわけではありません。

6年間、私も人事をしていて思うことですが、普通の会社で考えてみますと、本当に社長として、社員(今回は、タレント契約を結んでいるタレントですが)をクビにしたいと思っている社長はいないのではないかと思います。

時として、表現として言ってしまうことはあると思います。でも、それは、「クビしたい」わけではなく、伝えたい別のものがあって、意図せずに伝わってしまうことがあるのだと感じます。

よしもととして、伝えたかったことは、別のことのように、私は感じます。

では、本当に伝えたかったことは?

私がいうには、よしもとがいうには、本当に伝えたかったことは、芸能や笑いの文化の担い手として、企業をどう守り、企業をどう続けていくのか、どうやってもっと多くの人に笑いを届けるのかということかと思います。

だからといって、それは、決して、事実を伝えないということでも、世間に誠実をみなせいということでもないと思います。

ただ、よしもとが本当に伝えたかったことは、
意図せずに伝わってしまったのではないかと思います。

宮迫さん・田村さんが、
本当に伝えたことではないことも、意図せず、
よしもとの不信感が伝わってしまったのではないでしょうか。

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インド、フィリピン、マレーシア、トルコ、インドネシア、ベトナム、バミャンマーで働く11名の喜怒哀楽の物語。 【新卒海外研修】(連載中) http://www.kuno-cpa.co.jp/recruit/shinsotsu-kaigai/