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ドラッカーのいうIT革命って、ITによる革命なんてものじゃなかった!

人事の小山です。

ドラッカー研究をする週末です。
『ネクスト・ソサエティ』を読みながら、『イノベーターの条件』も読んでます。

ドラッカーのいうIT革命って、ITによる革命なんてものじゃなかった!

って、話していきましょうか。

ドラッカーは、印刷革命と産業革命を例にとっていいます。

ドラッカーがいうには、
グーテンベルクの印刷革命後、50年間は、単に手書きの書物を印刷に、文字通りの焼き直しにしたにすぎなかず、その50年間の起こった変化は、文献が入手しやすくなり、安くなっただけだといいます。

印刷革命を本当の革命にしたのは、ルターが、聖書のドイツ語訳をして、プロテスタントが広まっていき、宗教戦争につながるほどに社会に大きな影響を与えたことでした。

さらに、
産業革命で、綿製品が大量に生産できたのは、単に、綿製品の価格を下げたのと、生産量が増えただけで、社会にそれ以上の変化を与えたわけではないといいます。

本当の産業革命は、鉄道だったんだと、ドラッカーはいいます。

鉄道によって、写真、電報、農業機器、肥料技術などの新産業が生まれたことによって、本当に社会に革命的なインパクトを与えたのは、蒸気機関の技術の登場ではなく、鉄道の登場だったということです。

IT革命は、社会に何をもたらすのか。

では、IT革命による変化とは何か?

給与計算や在庫管理、経理作業の時間を短縮するためのソフトは、IT革命ではない、とドラッカーはいいます。

これは、産業革命で、機械化で、生産量が増えて、生産コストを下げただけのことと同じで、それだけでは、昔からあったものの単なる時間の短縮にすぎず、社会に革命的な変化をもたらしたとはいえない!、とドラッカーはいうのです。

では、ドラッカーがいう、本当のIT革命とは、なんでしょうか。

ドラッカーがいう本当のIT革命とは、ITによって、新産業が生まれることだといいます。そして、IT、コンピューター、データ処理、インターネット関連ではない新産業が生まれることこそが、IT革命なのだ、とドラッカーはいいます。


例えば、養殖がそれにあたるといいます。

「『えっ?!』って、思いますよね?」
IT革命が、IT関連しない新産業が生まれることだ、
ってびっくりしませんか?

私は、驚きました。

驚きましたが、私が思う、IT関連ではない、ITの影響による新産業を考えてみました。

私が思うものをいくつか挙げてみます。

①宅配業
(新産業ではないですが)それそのものがIT業界ではないですが、eコマースによって、変化が起きた業界だといえるでしょう。

②音楽LIVE
(新産業ではないですが)ネットで音楽を聴けるようになり、CDが売れなくなったからこそ、レコード会社は、収入減をCD売上ではなく、アーティストの音楽LIVEに軸を移すようになっていっていきました。ネット以外の新産業なのかと思います。CD売れなくなったつながりだと、握手券ビジネスもそうですね。

③タピオカブーム
ネットでタピオカを買うわけではなく、SNSが火付け役になって、タピオカ屋に行列ができるわけですから、これも、IT業界そのものではない、ITによる新産業(そもそもあって、一時のブーム感がありますが)のひとつかもしれませんね。

音楽LIVE市場は、「10年間で、2倍以上に成長」しているようです。

これは、レコード会社(という言葉がもはや古いですね)というアーティストの音源をCDというメディアに単に「レコード」した製品を販売するというメーカー的な位置づけから、「アーティスト」と「ファン」の関係づくりをするということに、レコード会社の仕事を再定義したことによって、市場が活性化してきたといえるでしょう。

レコード会社と同じ課題に直面しているのは、出版社でしょう。

雑誌は、ネットにとって代わり、
書籍は、電子書籍にとって代わられつつある中で、

「作家」と「読者」の関係づくりをすることが、
出版社の事業の再定義につながるかもしれません。

そういった意味では、
「作家」と「読者」の関係づくりをすることが、
出版社の事業の再定義の一例が、まさに、このnoteかもしれません。

あるいは、書店を再定義する必要があるのかもしれません。

みなさんが思いつくITの影響によるIT関連ではない新産業があったら、ぜひ教えてください。

人事部 小山

 


インド、フィリピン、マレーシア、トルコ、インドネシア、ベトナム、バミャンマーで働く11名の喜怒哀楽の物語。 【新卒海外研修】(連載中) http://www.kuno-cpa.co.jp/recruit/shinsotsu-kaigai/