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クロスカントリー日本選手権 男女優勝者コメント(萩谷楓・三浦龍司)

女子は萩谷が2周目から独走で快勝
男子は大学1年生の三浦が松枝との接戦に勝利

日本選手権クロスカントリーは2月27日、福岡市の海の中道海浜公園で行われた。シニア女子(8km)は萩谷楓(エディオン・20)が25分54秒で優勝。高校生の酒井美玖(北九州市立高3年)が26秒差の2位と健闘したが、東京五輪5000m代表の田中希実(豊田自動織機TC・21)は4位と敗れた。2周目から独走に持ち込んだ萩谷の思い切ったレースが印象に残った。
 シニア男子(10km)は対照的に、順大の現役学生とOBが、フィニッシュまで大接戦を展開した。勝ったのは大学1年生の三浦龍司(順大1年)で29分10秒。同タイムの2位に松枝博輝(富士通・27)が入った。三浦は専門の3000m障害で東京五輪代表入りを狙っていく。
 優勝した2人のレース後のコメントを紹介する。

●萩谷楓
「今年は一歩一歩の力強さがあったかもしれません」

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Q.昨年トラックで勝てなかった田中さんを引き離して勝った感想は?
萩谷 今回は人がどうこうより、自分のレースをすることが目標でした。誰に勝ったからうれしいというより、自分で思い切り前に出て勝てたことがうれしいです。
Q.2周目の途中で前に出たときの判断は?
萩谷 いつもとは違うレースをしようと監督とも話していたので、1周目が楽だったら自分から出て行こうと思っていました。いつも田中さんの後ろを走って、最後で離されるレースでした。今回そういうレースをするのはやめようと。自分で引っ張って、最後にダメダメになってもいいかな、と。
Q.田中さんに勝ったことは?
萩谷 初めてかもしれません。
Q.3位だった昨年と、走りの違いがあったのですか。
萩谷 筋力アップとか、できているかな、と思います。去年はサンドセクション(砂地)の走り方が下手でしたが、今年は一歩一歩の力強さがあったかもしれません。全然違う、というほどではありませんが。押し出す力があったと思います。
Q.トラックにつなげていくことができそうですか。
萩谷 前に出るレースを自分で作れたので、トラックでもそういうレースをしていきたいと思います。(日本人で3人しかいない)5000mの14分台も、今日のレースで少し行けるかな、と思いました。
Q.21年シーズンの目標は?
萩谷 一番は5000mで東京五輪代表になることです。4月の試合で(東京五輪参加標準記録の)15分10秒を切って、選考会の日本選手権につなげたいと思います。
Q.カエルののピアスをつけた理由は?
萩谷 クイーンズ駅伝のときから、意味を込めて少し変わったピアスを付け始めました。今日のカエルちゃんは新しい自分にジャンプアップしたい、という意味を込めてつけました。

●三浦龍司
「取り組んできたバネの強化を出せたレースでした」

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Q.今日はどんなレースプランで臨んだのですか。
三浦 前半は先輩の方々の背中を追って、最後は粘って、勝負できるところが来たら勝負しようと思っていました。プラン通りのレースができて、(箱根駅伝が終わって)今年最初のレースを良い形でスタートできました。最後は正直、松枝(博輝)さんにかわされるかな、と思いましたが、最後の力を振り絞ることができました。学年が上がっての成長を見せられたと思います。
Q.松枝選手との最後の競り合いを振り返っていただけますか。
三浦 サンドセクションを通って、最後の下りからスパートしようと思って走っていました。松枝さんの前に出ることができましたが、アナウンスですぐ後ろにいると聞こえて、最後の力を振り絞りましたが、どっちが勝ってもおかしくないレースでした。
Q.最後まで涼しげな表情で走りきっていましたが。
三浦 最後は本当に振り絞りました。余力はありませんでしたね。
Q.この大会に向けての一番のテーマは?
三浦 脚力作りというか、バネの強化です。そこを出せたのはよかったです。(12月の)日本選手権前にケガをしてしまって、走り込みが足りていませんでした。春までに走り込みをしようと、高負荷でやってきたことが今回生かせたと思います。
Q.箱根駅伝1区の失敗(区間11位)は、ケガによる練習不足の結果でしょうか。それとも走りの技術に影響が出ていたのでしょうか。
三浦 両方あったと思います。主には前半のスローペースから、後半で急激にペースアップしたときに、集団の中での余力の残し方がまだまだダメでした。距離を走れていなかったので、脚づくりができていなかったのだと思います。
Q.東京五輪参加標準記録突破の手応えは?
三浦 ケガをしたことへの抵抗がなければ、感覚も戻すことができ、4月に入って標準記録を狙っていけると思います。そこで標準記録を切って、6月の日本選手権で内定を決めたいと思います。

TEXT & 写真 by 寺田辰朗

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