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ワクチン接種始まるも・・・課題山積

日本でもようやく始まったワクチン接種。接種スケジュールは、なぜ確定しないのか?ワクチン1瓶で6回分接種できる“特殊な注射器”は、どう確保していくのか?課題は山積しています。

■日本でも始まったワクチン接種

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写真:東京医療センターで行われるワクチン接種(2021年2月18日)

ワクチンの先行接種2日目。2月18日も全国の医療機関で着々と接種が進んでいます。

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水戸医療センター 山口高史 院長:「インフルエンザより痛くないですね」

厚生労働省によりますと、2月17日に接種した125人から重い副反応は報告されていないということです。滑り出しは順調のように見えますが、一方で、解決していない課題がいくつかあります。


■課題①【見えない接種スケジュール】

記者:「海老名市役所では、市民の関心が大変高いということで、ワクチン接種の専用ダイヤルを設けまして、市民の問い合わせに対応しているんです」

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神奈川県海老名市が設置したワクチン専用の相談窓口。自分はいつ接種を受けられるのか、といった相談が多く寄せられていました。

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65歳以上の高齢者への接種は4月に始まる予定ですが、具体的な日程は、まだ確定していません。それ以降に行われる「基礎疾患がある人」「一般の人」たちへの接種スケジュールも、まだはっきりしていないのです。

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海老名市 健康推進課 安宅道善 課長:「どういったスケジュールで進めていくのかとか、当然、変更ありきのものだとは思うんですけども、そういったところでも示されると、市民の方も安心するのかなというふうには考えています」

スケジュールが確定しない背景にあるのは、世界的なワクチン不足です。

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ファイザーがヨーロッパで製造している日本向けのワクチン。日本に輸入するには、航空機1便ごとにEUの承認を得る必要があります。来週には第2便が日本に到着する見通しですが、第3便以降の予定が不透明な状態です。

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河野太郎 行政改革担当相:「自治体が一番必要としている供給スケジュール、高齢者への接種の開始の日程がなかなかお伝えできないというところは私ももどかしく思っておりますし、ご迷惑をかけている部分は、率直におわびしなければいけない」

課題は他にも・・・


■課題②【“特殊な注射器”の不足】

ファイザー製のワクチンについて、政府は1つの瓶で6回分の接種を目指しています。ところが、一般的な注射器では5回分しか接種できず、6回分接種できる“特殊な注射器”が不足しているのです。

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厚労省によりますと、医療従事者4万人の先行接種で調達できた“特殊な注射器”は、医療機器メーカー「ニプロ」の注射器のみ。政府は、今後に向けて調達を急ぎたい考えですが、ニプロに生産体制について聞いてみると・・・

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ニプロ 企画開発技術事業部 一宮淳 課長:「2月の段階で、(月に)50万本がキャパシティいっぱいいっぱい」

“特殊な注射器”を製造しているのはタイの工場。政府の要請で増産の準備を進めていますが、設備の増強にかなりの時間がかかるといいます。

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ニプロ 企画開発技術事業部 一宮淳 課長:「製造準備に4か月から5か月。そこから製造を始めて1~2か月かかるので、現状の数倍に(生産量が)上がるのは10月。会社全体で1本でも多く、一日でも早く提供できるような検討を始めています」

課題山積のワクチン接種。私たちの接種は、いつになるのでしょうか。


(NEWS23 2021年2月18日放送分より)