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「映画には亡くなられた登山家が出ている。彼らのことを覚えていてほしい」ナレーション岡田さん言葉を詰まらせ、という監督のトークに呼応し、山野井泰史が観客に想いを語る。11/27 ミッドランドスクエアシネマ舞台挨拶レポート

27日、名古屋では上映館のミッドランドスクエアシネマに向かった。控室に入るとインパクトたっぷりのウエルカムボードがあり、山野井氏も監督も大喜び。立体的な造形に「ここのオーバーハングが、」などと言い出す始末で、挨拶前から気分も上がっていた。

こちらも上映後のトークとなり、山野井氏と武石監督は満席のお客様は万来の拍手で迎えられた。トークは監督からまずお客様に対する感謝の気持ちをいい、続いて映画化のきっかけの話になったが、山野井氏から「(映画化について)OK出したっけ?」と爆弾発言で会場を和ませた。そして苦笑する武石監督に対して「武石さんは妙子(夫人)の好きなお菓子を買ってきたり、畑仕事を手伝ったりして、そこらへんが上手ですよね」と山野井家における妙子さんの重要度の大きさを忍ばせるエピソードも紹介された。
そして、武石監督から、ナレ―ションの岡田准一のお話も「登山もやられる岡田さんのナレーションでホントによかったと思っている。実は本編中に岡田さんのお知り合いが出てくる。実際録音の際も、その登場シーンでは言葉を詰まらせていたこともあった。」と、山野井氏と一緒に山を登ったこともあるソロクライマーの今井健司との岡田准一の浅からぬ関わりを語った。
山野井氏からは「僕はこの映画の舞台挨拶で毎回言っていることがあるのですが、僕が主人公として語られる映画ではあるけど、今井さんのように亡くなられた登山家が多数でてくる。できれば(ご覧になった)皆さんには彼らの顔と名前を覚えて帰ってほしい。こんな登山家がいたんだということを、しばらくでいいので覚えててほしい」と、それまでメディアの取材に対しては映画への想いほとんど語ってこなかった山野井氏が、観客を前にして初めて伝えたい心の中のメッセージを語った。(※本編中では、篠原達郎、宇佐美栄一、石坂工、野田賢、今井健司、一村文隆、など登山中に死亡する登山家を複数紹介している)

その後、山野井さんのご家族の話になると、山野井氏から「先日、父親が伊勢旅行に行ったのですが、『山野井って珍しい名字ですね、あの登山映画の山野井泰史のお知り合いとかご親戚ですか?』と聞かれて『父親です』と誇らしげに答えたらしい。まあ、映画というのはそういう意味で親孝行になっているかな。。」と彼の人間性が垣間見れる、ほほえましいエピソードを語り、会場は終始沸いていた。

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