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だからこそ情報を食べる

こんにちはタブレトシです。

最近というか2ヶ月前くらいからラーメンハゲことラーメン〇〇〇シリーズにハマっています。また、現在連載中のラーメン再遊記もめちゃくちゃ面白くて最高です。

そんなラーメン〇〇〇シリーズと言えば、やはりラーメンハゲこと芹沢達也の名言の数々。特に、有名な名言こそ「ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ!」だと思う。

ラーメンハゲ自慢の鮎の煮干し淡口ラーメンがあまり売れず、ヤケになって鮎の風味を消し飛ばす程のニンニクを揚げたラードを入れた濃口ラーメンがめちゃくちゃ売れてしまう。その際に、濃口ラーメンを食べた客がするはずのない鮎の風味に感動するのを見て、ハゲが悔しさ交じりに客を馬鹿にした名言。結局、ハゲにとって濃口を注文する人間は淡口の味がわかる真の顧客のための金ズルに過ぎないのだ。

この名言に僕は衝撃を受けました。と、同時に似た様な事例を1つ思い出しました。それが、かなり昔に僕のnoteでも紹介した「13歳からのアート思考」という本。

こちらの本は、他人の意見に同調する現代の大人に、自分なりの答え = アート思考をアートを通して身につけてもらうための本です。
ネットニュースで世界を知った気分になり、話題の飲食店に行くだけで美味しい料理を味わった気分になる。そこに自分なりの答えはありますか?
と言った感じの内容。

そう、一緒なのだ。
話題の飲食店で食べたという事実だけで美味しい料理を食べた気分になるのと、鮎の煮干しが使われているという事実だけで感じられないはずの鮎の風味を感じた気分になることは。
つまり、アート思考は全ての事象に存在しており、言い換えれば何もアートにこだわらなくても身につけることが可能という事。食べ物でもアート思考が適用されるのだから。
その上で僕が言いたいのは、ラーメンにおいては情報を食べる方がいいのではないかという話。

話は変わるのだが、先日あごだしの粉末なるものを家で見つけた。それをお湯でとき、どのような味か確かめた時に「ほぉ〜これがあごだしかぁ〜」と感心した。しかし、裏面の表記を見るとめちゃくちゃあごだし少なかった……w
というかもう、ほとんど昆布と鰹節だったw
完全に、ハゲの言う情報を食っている側の人間だと思い知らされた。しかし、それもそのはずなのかもしれない。何故なら、僕は料理をほとんどしたことが無く、あごだしのみを食べたことがない。それなら、あごだしの味くらい気づけないことがあるのかもしれない。つまり、料理に対する下地がない状態。であるならば、料理をしない人は料理せずに下地を作らないといけない。そこで提案したいのが、あえて情報を食いに行くということ。

ラーメン再遊記曰く、現在のラーメンは醤油+何かが流行りらしい。確かに言われてみれば、大阪でもそのようなラーメンは多い。僕のおすすめ大阪ラーメン2店舗を例に出そう。

醤油+鴨:燃えよ麺助

僕のお気に入りラーメン屋の1つで、大阪に住んでいてラーメンが好きな人なら知らない人はいないだろう。店外はほとんど目立つ看板はなく、ドアの横にちょこんと店名の書かれた小さな板が貼ってあるだけ。店内も綺麗でラーメン屋とは思えない。鴨だしという変わったラーメンだが、冷静に考えると鴨南蛮の上位互換なのかもしれない。そして、何より何もかも美味い。なんと言っても水が既に美味い。あまり、水で美味しいとか言ったことないのだが、麺助系列の水は何故か美味い。これは水の時点で情報を食っているからかもしれない。特に、チャーシューが最高で、そんな最高のチャーシューだけで4種類くらいある。隙の生じない四段構えに驚き。語っても語り尽くせない最高のラーメン。

醤油+貝:世界一暇なラーメン屋

中之島のビジネス街にあるこのお店。ラーメン屋があるとは思えない高級感のあるビルの一角にあるそのお店は、全てにおいて最高を提供するお店だった。おしぼりからこだわっており、店内ものすごくおしゃれで圧倒される。この時点でかなりの情報を食べていると言っても過言ではない。いざ、出てきたラーメンも最高の仕上がり。なんだ、全て最高水準じゃないかとむしろ驚き通り越して呆れる。とにかく行ったら分かる。

と、僕の食レポはどうでも良くて。
大阪だけでも昨今は醤油 + ? が流行っている。先程紹介した僕の好きなラーメン屋もだいたいそうだった。恐らく、醤油が何の出汁でも合わせやすくて、洗練されているからだろう。豚骨は強すぎて難しいし、塩は出汁が顕著に出る分めちゃくちゃ調整が難しく店側が選びにくい。そうなると、醤油が安定なのだろう。そして、醤油はだいたい味を知っている。だからこそ、舌感の下地を作るためにも、まずは沢山の醤油 + ? のラーメンを食べまくるべきだと考えています。

醤油 + ? が流行っており、醤油の味はみんな知っているからこそ、何が入っているか考えやすいという話をしました。そして、ここで登場するのがあえて情報を食べるということ。ラーメンの汁を飲む前から既に、醤油以外に何が入っているかだいたい種明かしがされています。その情報を考えながら口にすると、頭の中でそれらしきものと情報が合致し理解します。もちろん、ハゲの濃口みたいにそれらは感じることができないかもしれない。それでも、自分はそう感じたことが大事なのです。そしてそれを繰り返すと、舌の下地がおのずとできるのではないかと考えています。特に、自炊せず実家暮らしで料理もしない人には、これが有効的なのではないかと考えています。まあ僕なのですけど…。

そうして情報を貪ってできた下地ならぬ舌地はどのように活かされるのか。ここで登場アート思考。アート思考は自分なりの解釈や意見なので、過去の情報や記憶、舌地を頼りに自分なりの解釈や意見で食レポをする。すると、アート思考も培われて舌地もでき上がる完璧な存在になるのだ。その頃には、濃口ラーメンに鮎の風味が感じないことを理解できるでしょう。

これが【だからこそ情報を食べる】という事の全貌だ。

と言うよりは、【だからこそ(自分から進んで)情報を食べ(に行ってい)る。】と言っても過言では無い。あごだしが分からないのならあごだしの何かをいっぱい食べればいい。
情報を食べた結果、ハゲの鮎みたいに感じられない風味を感じたように感じるかもしれないが、それはそれで幸せなのかもしれない。
知らぬが吉というものだ。
しかし、まあ情報を食べ続ければいつかは下地ができるはずなので安心しても良いだろう。何より、さっきも言ったけど実際入ってようが、入ってまいが、自分がどう感じたかがアート思考にとって大事なのだから。

物量でゴリ押し。
力こそパワー。
その舌で情報を味わい尽くせ!


終わり

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