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本田圭佑の行く末に待ち受けるものとは

「本田圭佑は選手として終わった」

本田圭佑に関するネットニュースがあると、コメント欄でよく見かける言葉だ。

事実、ここ数年の本田圭佑の選手生活は、決して輝いているとは言い難い。2019年に加入したフィテッセを「恩師スルツキーが退任したから」という理由でわずか数ヶ月で退団すると、その後に加入したボタフォゴでも、負傷もあってほとんどチームに貢献することが出来なかった。

止めとなったのが、2021年に加入したポルティモネンセでの出来事だ。選手登録に間に合わず、試合に出場することすらかなわなかった。これでは、「終わった」と言われるのも分からないこともない。

そんな本田圭佑が、新天地として選んだのは、アゼルバイジャンのネフチ・バクー。日本のサッカーファンには馴染みのないリーグだ。そんな日本のJリーグよりもレベルが低い可能性が高いリーグで、本田圭佑はサッカー選手としての「余生」を過ごすこととなった。もはやかつてのカリスマ性は、見る影もない。

本田圭佑にはある野望がある。今夏行われる東京五輪のサッカー競技に、オーバーエイジとして出場することを目指しているのだ。2021年で35歳となり、間違いなく選手としてのキャリアは終わりに近づいている本田圭佑にとって、おそらく最後の大舞台となる。果たして彼は、望む舞台に立つことは出来るのか。今回は、テーマをそこに持ってきて、記事を書き進めようと思う。

コンディションさえ上向きならば

まず、気になるのが本田圭佑の状態だ。先ほども書いた通り、近年、決して理想的な選手生活を送ることができているとは言えない彼のコンディションはどのようなものなのか。

確実に言えるのは、最高ではないということだ。勿論、加齢による劣化もあるし、何より、あまりにも試合に出場できていない。ボタフォゴでのプレーを見ても、明らかに体が重そうで、パスの精度はさすがの一言だが、果たしてプレースピードが速くなり、激しいプレスにさらされるようになるとどうなるか…。もっともっと、コンディションを上げる必要がある。

そのためには何をすべきか。それは当然、継続して試合に出場すること以外にない。たとえレベルが高いとは言えないアゼルバイジャンのリーグであったとしてもだ。

個人的な意見だが、代表戦で活躍するために、必ずしもレベルの高いリーグでプレーする必要は無いと考えている。重要なのはいいイメージを保てるか、良好なコンディションを保てるかの2点だ。

レベルの高いリーグで苦戦するよりも、ある程度レベルが落ちるリーグでもゴールやアシストを量産した方が、結果としていいイメージを残すことが出来る。モチベーションも上がるだろう。本田圭佑に求められるのは、そういったことだ。その条件さえ整えば、近年、限界説が囁かれている本田圭佑が、東京五輪の舞台に立つことも夢物語ではないだろう。

思い出されるのが、2018年のロシアワールドカップだ。あの時も、本田圭佑不要論が盛んに語られるほど、代表での地位は落ちていた。しかし、いざ蓋を開けてみれば、スーパーサブとしてアシストやゴールといった目に見える結果を残し、チームをベスト16に導いた。

やはり、「持っている」男であり、大舞台で彼ほど頼りになる男はいないだろう。東京五輪でも、その力が必要となる場面はきっと来るはずだ。

しかし、オリンピックにおけるサッカー競技は、ワールドカップよりも選出できる選手の数が少ない。スーパーサブのような、「途中交代が前提」の選手を入れる余裕は、ほぼない。タフな日程でも耐えうるコンディションは、絶対に必要だ。

繰り返しになるが、本田圭佑が東京五輪の舞台に立つためには、継続して試合に出場することが重要だ。故障することなく、毎週試合でプレーする。そこまで出来て、やっとスタートラインに立てる。そして、そこからゴールやアシストを量産して初めて、選考の対象となることが出来る。

恐らく選考することになるであろう森保一監督に願うのは、曇りのない目で見てほしいということ。「本田圭佑だから選ぶ」ということがあってはならないし、逆に「本田圭佑だから選外」ということもあってはならない。他の選手と平等に、プレーやコンディションを見て選んでほしい。その結果、本田圭佑が選ばれなかったとしたら、彼がそこまでだったということだ。

個人的には、コンディションさえ良好なら、本田圭佑を選ぶべきだと考えている。東京五輪という自国の観衆が多く見守る舞台で、若い選手が力を発揮するのはとても難しい。そんな時に経験豊富な本田圭佑がいれば、周りの選手も落ち着くだろう。堂安律や久保建英といった若手スター選手の重圧を減らす効果もある。

勿論、プレー面でもメリットはある。コロナ禍で試合も満足に組むことができず、連携に不安が残る現状では、彼のようなパスを受けて出すことが出来る潤滑油のような存在は貴重だ。攻撃を形にするということに関しては、彼ほどの適任はほとんどいない。

初めにも書いた通り、本田圭佑の選手としてのストーリーは間違いなく終わりに近づいている。最後の数ページに輝かしい記録を残せるかは、やはり彼自身に懸かっている。

果たして、本田圭佑の行く末には何が待ち受けているのか。これから数ヶ月の彼に注目だ。

※見出し画像はネフチ・バクー公式YouTubeチャンネルの動画より引用

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