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最近見つけた、芸術の楽しみ方

今日は、NHK交響楽団が水戸に来てくれたので、聴きに行ってきました。

指 揮:広上淳一
ピアノ:小山実稚恵
管弦楽:NHK交響楽団

プログラム
①ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30
②ベートーヴェン/ 交響曲第7番イ長調作品92

僕は美術館に絵を見に行ったり音楽を聴きに行くのが好きで、しばしば出かけていきます。でも、「これが好き」という意外に、芸術の楽しみ方がよくわからず何十年も来てしましました。ポップスやロックのコンサートはワクワクするので、それだけで楽しくわかりやすいのです。でも、絵画やクラシックコンサートではどうやって楽しんだらいいのかずっとわからずにいました。それが、50歳を超えて、ちょっとだけわかってきた気がします。
 だれでもそうかもしれませんが、私は今、仕事の責任や、社会の立場上抱えてしまっている色々な問題に対して、常にに考えを巡らしています。いつもいつも何かを考えています。それが常態化してしまっていて、いつも思考がノンストップで回り続けているような感じがします。これを止めることができないのです。その結果、少し不眠になったりしています。
 でも、美術館で絵を見ていたりクラシックコンサートを聴いているときに、時にこの「思考の過回転」が止まっていることにふっと気づくときがあります。そんなとき、気持ちがすーっと落ち着いていって、頭の回転が止まって、非常に静かな「思考の凪」の状態になれることがあるのです。それはロックコンサートやポップアートのような心を高揚させる作品では起きることはありません。最近では清宮質文さんの版画を見たとき、あとはクラシックの音楽を聴いているときに体験しました。クラシックではバッハの音楽でよくそういう状態になることに気づきました。
 そして、今日のコンサート。その「思考の凪」を強く感じることができました。①から②にいたる間に、僕の思考はすーっと回転を止め、とても静かな気持ちになっていました。そしてベートーヴェンの交響曲7番のアレグレットを聴いているときには、音楽しか頭にない状態になっていました。それが交響曲が終わるまで続いたのです。交響曲が終わったとき、僕の頭の中はすっきりしていました。色々な思考でごちゃごちゃになっていた僕の頭の中が、一度掃除されたような気がしました。台風が去った後の空気がとても爽やかになっていることに気づいたことがありますが、それに似た体験でした。

 これも、クラシックや絵などの芸術のもつ力の一つではないのでしょうか?今までその良さがわからなかった芸術に対して、僕が見つけた、僕なりの新しい楽しみ方です。

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