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牡羊座30度「アヒルの池とその子供たち」 #サビアンシンボルのタロットワーク

ルディアによると「自然の境界線の実現」の度数です。前のシンボル「天球の音楽」の後では、これは拍子抜けするように見えるかもしれません。しかし普遍的な秩序を垣間見た意識でさえ、内的に聞いた調和のメッセージを自分の「カルマ」の活動領域に引き下ろさなければなりません。それは銀河のフィールドに比べればとても小さく、まさに大洋と比べたアヒルの池のようなものです。具体的な行動の実体を見つけ、あらゆる効果的な活動に焦点を当わせるために、この活動の境界は意識的に受け入れなければなりません。「焦点を合わせる行為」の原則です。

ジョーンズによれば、個人が宇宙の秩序を最大限に活用することで、物事が永遠に調和することを象徴しています。このシンボルに込められているのは、人間が自分のニーズに合わせて自分の経験の世界を確立する能力です。自分の才能に合わせ、自分自身であるという個人的な満足感を求めるからこそ、効果的に機能できるのです。肯定的な場合この度数は、目先の状況に対処するための慣れ親しんだ能力や容易さ、否定的な場合は田舎者根性の傾向や、甘やかされた自己満足による人生の受容です。

昨日の「天球の音楽」では宇宙規模の調和が示されましたが、ここではその中で発見された「具体的な自分の位置」での活動にフォーカスが当たっているようです。そうやって見つけた自分の活動場所は小さいですが、宇宙の調和を見出したあと、意識的に受け入れた境界です。「自分にぴったり!」な場所にいるからこそ、自分のポテンシャルを具体的に活用できるのでしょう。

スプレッド

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1.池
2.アヒル

池は自分の才能や存在にぴったりの活動領域です。アヒルはその活動領域を意識的に受け入れ、自分のポテンシャルを具体的に活かす活動をしています。

横位置のカードの逆位置は取りません。

リーディング結果

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1.池:ペンタクル10
2.アヒル:ソード4逆

ペンタクル10、物質的世界の社会、コミュニティ。宇宙的な意識に比べるとペンタクルは場所と時間、自分の肉体によって縛られた狭い世界です。10なので自分の属する社会全体。これは「そりゃそうですよね」というそのままのカードが出た印象です。

ソード4逆、考えを固めてしまわない、頭の中の意見をパターン化させない、という活動。思考を常に更新する、頭をいつも違うパターンで動かし続ける。それが「自分の存在や才能にぴったり」な活動と読めます。

カード同士の関連

ペンタ10社会の中では、思考がパターン化させられる可能性もあります。こういう環境なんだからこういう風に考えて、こういう意見を持って、という社会からの要請もあるでしょう。

10は繰り返される時間を示す運命の輪の数字でもあり、ペンタ10は大きな物質的環境の循環も示しています。繰り返される循環は「今日はこういう日だからこうね」みたいな定型化を思考に強いるかもしれません。ソード4逆はそれに抵抗して、「いつも同じ循環だとしても、違う考え方ができるのでは」と思考の定型化を退けています。それは常に頭が落ち着かないことでもありますが、それが「自分にぴったり!」の活動になります。

他の度数との関連

この度数は「子どもたち」です。23度「妊婦」が孕んでいたペンタ9を、27度「失われた機会」で流産していた流れを思い出すと、「ついに子供が生まれたのか!」と感慨深さもあります。ペンタ9が流産して、ペンタ10として生まれた印象もある池です。

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ペンタ10は16度「自然の精霊」の日没カードとして登場していました(このときも正逆取らない横位置のカードです)。日が暮れかけた夕日の中で自然の精霊が見えてくる、その日没としてのペンタ10は、ここでは正面に出てきてよりはっきりした環境となりました。これは惑星有機体としての全生命プロセスの基盤を示していたカードでもありました。「惑星有機体」→「アヒルの池」という生命プロセスの小規模化は、ここでの具体的活動領域に焦点を合わせるテーマとも関連があります。

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ソード4は正位置で8度「女性用の帽子」の吹流しカードに登場しました。これは物質を超えたスピリチュアルエネルギーに対する感受性でしたが、それが逆位置化したことで、センサーとしての受動的役割から意識的活動への転換が起きた、とも読めます。またスピリチュアルな感受性から、物質的・実体的なものへの感受性に、という転換でもあるかもしれません。

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牡羊座全体の印象

これで牡羊座のサビアンシンボル1〜30度、全てをタロットワーク化しリーディングし終わりました。何度も登場したカードを中心に、印象深かったところをアトランダムに振り返ってみます。

1度「女性が海から」で魔術師として登場した女性カードが象徴的でした。1番目のサインの1度目に、1番目の大アルカナです。魔術師は12度「三角形の形に飛ぶ」雁と、24度「カーテン」の家の内側として再登場します。海、雁の群れ、風に吹かれるカーテンという形の定まらないものの中から、一瞬だけ焦点が合って出現しているようです。

10度「教師」、11度「一国の支配者」、15度「毛布」にかけての、女教皇への抵抗感と征服意欲のせめぎあいも強烈でした。1番目のサインによる、2的なエネルギーに対してのコンプレックスも感じられました。

21度「ボクサー」でリングとして登場した愚者は、その後も24度「カーテン」で逆位置、25度「2つのレベルの経験」で正位置と、ひとしきりの流れのテーマになっていました。この先に登場はしていませんが、続く26度「持てる以上のギフト」、27度「失われた機会」、28度「期待を裏切ったパフォーマー」のサビアンシンボルの流れ自体(まだ見ぬ可能性への興奮状態から失敗する)に「愚者的な影響力」を見ることもできます。その愚者的流れは29度「天球の音楽」で正義&ワンドキングによってビシっと調律されます。

5度「翼のある三角形」の翼、19度の「魔法のじゅうたん」として登場したペンタクルエースは、両方とも「空を飛ぶもの」同士。ペンタクルは地のエネルギーなのに飛ぼうとするのがおもしろい。牡羊座っぽさなのか。

連続した度数に登場するカードたちも興味深いです。女教皇や愚者もそうでしたが、他にも13度「不発の爆弾」で逆位置→14度「大蛇」女性で正位置のワンドナイト。17度「独身女性」正位置→18度「ハンモック」木で逆位置のペンタ4。21度「ボクサー」と22度「庭の門」のペンタペイジ。これらは前のシンボルのテーマとの連続性や対照関係を強調しています。

他にも複数回登場したカードはいくつかありました。女帝逆、死逆、カップキング、ソード5、節制、など。

TAZNのタロットサークルでお題チャンネルを立てました

サビアンシンボルのタロットワークが毎日どんどんできていますが、それをサークル内でも取り扱うことにしました。メンバーさんは自分で引いてみたカードを投稿でき、それをTAZNがリーディングします。

よろしければご参加をお待ちしております。

サビアンシンボルからタロットのスプレッドやワークを作っています。「そのサビアンシンボルの意味を探る」のではなく、「その度数におけるその人の発達の状態」を読み解く取り組みです。しかし個人の発達状態を通じてサビアンシンボルの元型を透かし見ることもできるかもしれません。このワークについての詳しくはこちら