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牡牛座24度「猛烈な勢いで馬に乗るネイティブ・アメリカンの戦士、彼のベルトに吊るされる人間の頭皮」 #サビアンシンボルのタロットワーク

ネイティブ・アメリカンにとって髪の毛は霊力の根源、神聖なものとして大切に扱われました。また共通の髪型にして同じ部族への帰属を示す手段でもあります。このシンボルは倒した敵の後頭部の頭皮を剥ぎ取り、戦利品として持ち帰る「頭皮剥ぎ」の文化を描いています。

頭皮剥ぎはネイティブ・アメリカン独自の野蛮な風習として宣伝されてしまいましたが、元々は18世紀前後にイギリス、アメリカ合衆国、メキシコの政府機関が、敵対するネイティブ・アメリカンやヨーロッパ人に懸賞金をかけ、その殺害の証拠として頭皮を募集したことが起源になっています。それがネイティブ・アメリカンの戦士の間にも浸透していきました。

(元々、合衆国政府は賞金稼ぎたちに殺害した敵の頭部を要求していましたが、持ち運びが大変なので切り取った両耳を、やがて後頭部の頭皮を求めるようになります)

賞金稼ぎは殺害の証拠として頭皮を集めましたが、ネイティブ・アメリカンの戦いでは相手を殺す必要はないため、頭に傷を残したまま生きながらえるものも多く、しかしその傷跡は大変な屈辱の印となりました。

19世紀になりネイティブ・アメリカンにも頭皮剥ぎの文化が浸透すると、若い戦士たちの間で、敵を挑発するため後頭部だけ髪を残して刈り上げる髪型が流行します。ジョーンズ版のシンボル名(A mounted Indian with scalp locks)にある「スカルプ・ロック」とはこの髪型のことです(ルディア版ではこの言葉は消え、「Human scalps 人間の頭皮」となっているので、この戦いはネイティブ・アメリカンの部族同士だけではなく、彼らにとっての侵略者であるヨーロッパ人への抵抗であってよい、と解釈できることになります)。

ここに描かれているのはたくさんの敵を倒した強力な力を持った戦士です。このシンボルは自分の活動拠点となる大地を守るために戦う力を示しています。7度のサマリアの女は差別される対象でしたが、ここではそれに抗って戦う力が手に入っています。

サビアン研究会でSUGARさんは、白川静による「『道』という漢字の起源は異民族の首を持って歩く様。支配の圏外へ行くとき、別の神がいる土地でそれを祓いながら進む」という興味深いお話をしてくださいました。ネイティブ・アメリカンにとって髪の毛は霊力の根源、神聖なものだったと思い出すと、これは敵の霊力の一部を奪う、奪われる、ということなのかもしれません。

スプレッド

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1.戦士
2.馬
3.頭皮

戦士は活動拠点となる大地を守るために戦います。馬はその乗り物、躍動するエネルギーの象徴です。頭皮は戦士の力や勝利の証、戦利品として読んでみます。

リーディング結果

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1.戦士:ペンタクル4逆
2.馬:皇帝
3.頭皮:ペンタクル7

ペンタクル4逆の戦士、不安定さを持っています。これは侵略を受けて活動拠点となる大地の安全を脅かされている戦士だと読むこともできそうです。

馬が皇帝で、戦士よりも強力なパワーと安定感を持っています。この馬に乗っていれば戦士が不安定な状態でも安心で安全。

ペンタ7の頭皮。7は人より上に自分を持ち上げようとする数字でもあるので、戦いに打ち勝ったことを示すにはぴったりの数字とも言えるかもしれません。ペンタクルは戦士と共通するスートですが、逆位置から正位置へ。不安定さを与えられたからこそ敵より上に上がろうとする、その姿勢が力の証、戦利品と言えそうです。

みなさんのカード

今日もみなさまトライありがとうございます!

23度

22度

サビアンシンボルからタロットのスプレッドやワークを作っています。「そのサビアンシンボルの意味を探る」のではなく、「その度数におけるその人の発達の状態」を読み解く取り組みです。しかし個人の発達状態を通じてサビアンシンボルの元型を透かし見ることもできるかもしれません。
参考にしているのはサビアン研究会での学びと、ルディア「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」、ジョーンズ「The Sabian Symbol In Astrology」。自分なりの解釈もしています。
このワークについての詳しくはこちら