「呼吸する森」スプレッド(by夢路TAROTさん)をタロットリーディングのエクササイズに使う
夢路TAROTさんの「呼吸する森」スプレッドについて、より詳細な読み方解説です。前回の記事はこちら。
リラクゼーション目的のスプレッドなので、リラックスさえできればどう読んでもよいと思います。ただこのスプレッドはタロットリーディングのエクササイズにも適していると感じたため、その方法を記します。
カードのポジションの意味
1.森の中にいるあなた(現在地)
2.北極星(目指したいもの・理想)
3.景色(リラックスできる環境)
4.匂い(どんな雰囲気の中にいたいか)
5.味(おちつく食べもの)
6.音色(あなたをいやす音楽や声)
7.感触(ほっとする手触り・肌触り)
8.メッセンジャー・ガイド(迷ったときの助けとなる人)
相関図
カード同士はこういう有機的な関係。このスプレッドの目的は「リラクゼーション」なので、カードとして配置はされないが固定された最終結果「リラックス」ポジションがあると考える。
以下、詳しく解説します。
このスプレッドの醍醐味は「五感覚」
やはり3〜7の、匂い、音、触感、味など五感覚をタロットカードから読み解く作業がおもしろい点。「カップクイーン的な匂いって?」「戦車的な触感とは?」と普段の占いではなかなか考えない問い。想像力豊かにイメージを。
3:視覚からのINPUT
4:嗅覚からのINPUT
5:味覚からのINPUT
6:聴覚からのINPUT
7:触覚からのINPUT
架空の人物「森の中の私」を作る
セルフリーディングにしろ、人を占うにしろ、「私はこういう人間だから」という自分フィルターはメッセージを歪める原因になる。
せっかく「森の中にいるあなた」という設定が与えられている。いきなり「カードが示すのは私」と当てはめる前に「森の中にこういう人物がいる」と別の存在を作ってみる。
その後その人物と自分を当てはめる。
特にセルフリーディングでは、自分を客観的に見るのが難しい。「森の中の人物」というワンクッションを置くとリーディングしやすくなる。
リラックスは必ず存在する
「こんなものではリラックスできるはずがない!」という考えは一回置いておく。
・「リラックス」は必ず存在している。
・どんな方法でリラックスできるかは人それぞれ。「気が休まらないのでは?」と感じる方法でもその人にとってはリラックス。
ヘビメタでリラックスする人や、廃墟の中に癒やしを感じる人、破壊行為で気持ちを落ち着ける人もいる。
これも「私」と「森の人物」を別者にしておくとやりやすい。
相関図にも書いたが、このスプレッドには「絶対固定の最終結果リラックス」というポジションがあるつもりで読む。なにがあろうとリラックスは存在しているという心意気で。
カード同士の有機的な関係を読む
カード1枚1枚をしっかり読んだあと、カード同士の有機的な関係も読むとより深みが出る。
・1と3〜7:環境からINPUTされたものの処理方法
・3〜7同士:リラックスのためのより繊細な注文
・1と2:理想は現在地をチューニングする
・2と3〜7:INPUTの新しい処理方法
・1と8:フォローされるから安心してさらけ出していい弱点
・1と3〜7:環境からINPUTされたものの処理方法
3〜7は環境からのINPUT。INPUTされたものを処理する姿勢が1。その処理の結果リラックスが生まれる、と考えてみる。
3〜7それぞれを1に渡し、1はそれぞれをどう受け取るのか考えてみる。「何(3〜7)」を「どう(1)」すればリラックスできるのかより詳細になる。
3〜7と1が矛盾するエネルギー同士でも、そこに葛藤がある訳ではない。単にINPUTされたものとそれを処理する角度が違うだけ。
例)3カップ、1ソードなら、視覚からのエモーショナルなINPUTを分析的に受け取るのがその人物にとってのリラックス。
1と同じ種類のエネルギーを持つINPUTは、その感覚器官の「使いやすさ」を示すかもしれない。
・3〜7同士:リラックスのためのより繊細な注文
各感覚器官からのINPUT同士がどのような関係なのか。矛盾するエネルギーを持つペアがあれば、「目から入ってくるソレはいいけど、耳から入ってくるのはイヤ」というより繊細なINPUTへの注文を意味する。
また大アルカナやエースがある場所は、その人が特に重視している感覚器官かもしれない。
・1と2:理想は現在地をチューニングする
1現在地→2理想への変化は「1がゼロになって2にガチャっと切り替わる」デジタルなものとは限らない。「1を踏まえた2」と考える。正位置と逆位置を見ると、1と2の大まかな関係がわかる。
正位置は足し算、逆位置は引き算。
1正→2正
「これもいいけどああもなりたい」or「これはやめてああなりたい」
1に加えて2にもなりたい。1の力と2の力両方ほしい。1と2が矛盾するエネルギーの場合は、1を捨て2への変化を求めている。
1正→2逆
「ああはなりたくないわね」
1がベースになる。1に含まれる、2の正位置が示す要素を取り除きたい、取り入れないようにしたい。1の精度を上げる姿勢「ああではなく、こう」。
1逆→2正
「これはやめてああなりたい」
1の正位置が示す要素を取り除く姿勢があり、そこに2を取り入れたい。2の中に1の正位置が示す要素があれば、それは取り入れたくない。2の精度を上げる姿勢「こうではなく、ああ」。
1逆→2逆
「これもあれもやめたい」
1の正位置が示す要素を取り除く姿勢があり、さらに2の正位置が示す要素も取り除きたい、取り入れないようにしたい。消去法的な姿勢。
例1)1塔正、2女帝正なら「森林破壊してリラックスしちゃってるけど、本当は森を育ててリラックスしたい」もしくは「森林を破壊してるけど、育てることでもリラックスしたい」。
例2)1ソードクイーン正、2吊られた男逆。クイーンは突き詰めると観念的になりすぎ、現実から自分を切り離して吊られた男化する可能性もある。でもそこまでやっちゃうとリラックスできないわよ、という警戒心としての北極星。
もちろん逆位置は「取り除く姿勢」以外にも読むことができる。詳しくはこちらの記事を参考に。
・2と3〜7:INPUTの新しい処理方法
2は何通りかの読み解きができる。
・1が十全にリラックスしたらなれるもの。リラックスの結果。
・今はINPUTを1的に処理してリラックスしているが、本当は2的に処理してリラックスしたい。目指すべき上位のリラックス方法、環境の受け取め方。
・リラックスとは関係なくなりたいもの。
ここでは「目指すべき上位のリラックス方法」として読んでみる。さきほど「1と3〜7」それぞれの関係を読んだが、「2と3〜7」でも再読する。
もしかすると2は、3〜7とは別の新しいINPUTを求めるかもしれない。でもとりあえず3〜7をどう処理してリラックスを作り出すかを読むと、理想の輪郭がよりはっきりする。
・1と8:フォローされるから安心してさらけ出していい弱点
8ガイドは1を助けてくれる。それは逆説的に「1がミスしやすいこと」「1に足りないもの」を意味する。安心してさらけ出していい「フォローしてもらえる弱点」。
「そのウィークポイントはフォローしてもらえるから安心して失敗していいよ」だからリラックスできる、と読む。
8が正位置なら与えてもらえるフォロー。つまり1に不足しやすいもの。
8が逆位置なら、その正位置が示す要素を取り除いてくれるフォロー。つまり1が負担に感じやすいもの。
8が逆説的に示す失敗を、1のカードが起こすとしたらどういう状況か?を考えると、人物像がより立体的になる。
* * *
終わりです。「こんな厳密に読んでたらリラックスなんてできない!」というエクササイズになってしまいましたが、リーディングの参考にしていただければ幸いです。
夢路TAROTさん素敵なスプレッドどうもありがとうございました!
11/28追記:夢路TAROTさんからコメントいただきました!