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牡牛座11度「彼女の庭の花に水をやる女性」 #サビアンシンボルのタロットワーク

ルディアによると「自我意識の基盤となる心の力の発達」の度数です。人間の精神心理的な性質は、樹液が昇り、開花するときに芽が現れるのと同じように、生物学的な機能や衝動を満たし、その超越によって形作られます。意識はこの驚くべき開花に愛着し、注意を払い、愛を惜しみません。残念ながら通常は独占的な愛です(「ここは私の庭だ!」)。こうして自我は発展していきます。基本的には自我の発達に関連した全体的な状況を示します。ここでのキーワードは「育成」です。

ジョーンズによれば、自分の創造力を具体的な形でコンスタントに表現しようとする魂の決意と、生活のあらゆる可能性に自分自身を注ぎ込む熱意のシンボルです。ここでは人間と自然の間に手軽でやりがいのあるパートナーシップがあり、自然の豊かさは人間の精神の寛大さと一致する傾向があります。人間は自分の世界の福祉に責任を感じており、その関心に対する報酬は非常に大きい。キーワードは「ケア」です。肯定的な場合、この度数は人間が充足を得るために、自分の周りのすべてのものを不滅の有機体へと築き上げる高い管理責任であり、否定的な場合は、表面的な満足感と取るに足らない心配事への無駄な屈従です。

サビ研でSUGARさんは「自分の体を洗いながら『ありがとう』と声をかける女」の度数とおっしゃっていました。自分自身への愛着と、自分自身への信頼関係によって、内面の美しさや完成が磨かれる。

ここでは「自分の庭」で人に見せるためではない、自分のための花を育てているようです。独占的な愛ではありますが、そこから牡牛座的な自我が発達していきます。10度「看護師」は他者への献身がありましたが、ここではもう一度自分自身の豊かさとそのためのケアを考える段階のようです。

スプレッド

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1.庭
2.女性
3.水
4.花

庭はこの女性の庭、自分の愛着の対照を育成する場です。女性は花へ愛着し、それに注意を払い愛を惜しまないことにより発展する自我です。花は愛着の対称、水はそのために行っている育成の手段と読めそうです。横位置のカードは正逆を取りません。

リーディング結果

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1.庭:ワンド8
2.女性:審判
3.水:ペンタクル8逆
4.花:ソード7

ワンド8の庭、落ち着きのない、せかせかした場所のようです。意欲が集中している場。女性は庭にかなりエネルギーを注ぎ込んでいる、あるいは場所自体が情熱的なエネルギーを持っている。灼熱の、真夏の熱い庭という印象もあります。もしくはやる気を出しすぎていろんな植物を植えちゃった庭。ささやかな庭じゃなくて結構派手な庭の様子。

審判の女性、大アルカナで影響力の強い女性です。環境をひっくり返す力も持っていますし、また環境から自分を変革するためのエネルギーを受け取ることもできる。自我としては大きなスケールの意識を持っているようですが、自分の意志だけで動いているというよりは環境の力も引き出している印象もあります。自然は自然の力で育つ。もしくは枯れた庭を復活させる女性。

ペンタ8逆の水。じょうろに穴が開いている。あるいは栄養が薄い水。もしくは貯金をはたいて水を花にやっている。物質的価値が漏洩している水。もし正位置だったら栄養素の高い水をやっていると読めそうですが、逆位置だとそれが薄い。極力少ない水で育てているのかもしれません。

ソード7逆の花。知的な向上はしていかない。水をやれば裏切らない花、あるいは女性の側が花を裏切っていたけど意識を切り替えて育成を始めたのかもしれない。水をやっていないときは正位置だった、と考えることもでき、その場合は秘密を秘めた花ですが、水をやることでその秘密が開示される、とも。世話をしているうちに知らなかった花の名前がわかりました、みたいな感じでしょうか。

カード同士の関連

審判だけが大アルカナなので、女性が一番強いエネルギーを持っています。ワンド庭の上でペンタ水とソード花はひっくり返っており、ワンドの熱い場のエネルギーが強い。

7と8という連続する数字ですが、7はひっくり返っているので8が強調される、しかしペンタ8じゃなくてワンド8だ、とさらに細かい絞り込みがされています。

ソード7で花を裏切っていた女性に、花を育てることで「環境は変えられる」という意識が生まれた、という審判と考えてもいいかもしれません。しかし大して栄養を与えるわけでもなくそれをやろうとしています。環境の持つ力も受け止めるため、環境が元々持っているエネルギーを引き出そうとしているからです。

他の度数との関連

牡羊座6度「一辺が光る四角形」のうちの一辺としてワンド8逆位置がありました。ややエネルギーが弱まっている一辺、と考えられました。庭カードは正逆取らないので、このままこの一辺と庭が同一である可能性を考えることもできます。

牡羊座8度「帽子」をかぶった女性がペンタ8正位置です。彼女は帽子によって強すぎる自然エネルギーを直接浴びることから守られていたので、豊かな存在としていられました。花に与えられる水は逆位置、自然の力を直接浴びさせ水はやっていない、という連想も浮かびます。

審判は牡羊座10度「教師」で正位置と、牡牛座7度「サマリア女」の井戸で逆位置です。古い秩序であった逆位置から離れるようサマリア女を導くイエスは牡羊座10度の教師と同一のエネルギーを持っていたのでは、と読み解きをしていました。水をやる女性・教師・イエスはなんらかの共通点を持っているかもしれません。あるいはサマリア女が井戸を離れイエスの教えに帰依した結果、審判が正位置化し、花に水を与える女になった、というつながりも少なからず考えられるかもしれません。

みなさんのカード

今日もトライしてくださったみなさんありがとうございました!

10度

8度

「雪に覆われていない」と言っているのに雪景色のペンタ5が出ているのがおもしろいです。どうせ未来に雪が降るなら今自分で降らせてしまえ!

サビアンシンボルからタロットのスプレッドやワークを作っています。「そのサビアンシンボルの意味を探る」のではなく、「その度数におけるその人の発達の状態」を読み解く取り組みです。しかし個人の発達状態を通じてサビアンシンボルの元型を透かし見ることもできるかもしれません。このワークについての詳しくはこちら

●5/1追記:スプレッドを改良しました。ニューバージョンはこちらに!