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テレワークゆり物語 (71) 脚本家 大石静氏との15年前の出会い

「田澤さん、パソコン詳しいのね。いろいろ教えてもらえる?」

令和3年秋の叙勲、旭日小綬章(芸術文化功労)を受けられた、脚本家 大石静さんと最初に出会ったときに、かけていただいた言葉だ。

時は15年も前にさかのぼる。場所は北海道の丸瀬布町のホテルのロビー。
当時、北海道のテレビ番組でお知り合いになれた東京大学名誉教授の月尾義男先生からイベント参加のお誘いを受け、丸瀬布を訪問した。
その時のイベントのすごさは、当時の私のブログ記事『超豪華な講演会@北海道紋別郡遠軽町丸瀬布』にも残っている。

イベントでの講演前、ゲストの大石 静さんが、パソコンのトラブルでお困りだったところ、月尾先生から紹介されてホテルのロビーでサポートさせていただいた次第だ。
当時としては、女性がテキパキとパソコンを操る姿は珍しかったのだろう。えらく感激いただき、光栄にも、冒頭のセリフをいただいた。

「もちろんです! パソコンやインターネットのことなら、何でもご相談ください。先生のお仕事のお手伝いができるなら、うれしいです!」

仕事ではない。個人として、この日から、田澤由利は
「脚本家 大石静」の自称『パソコン担当秘書』となった。
私のミッションはただひとつ。

「脚本家 大石静」が、素晴しいドラマを世に送りだすにあたり、脚本を書く道具であるパソコンやインターネットが、その妨げにならないようにする

この15年の間、大石静さんが手がけられたドラマは数しれず。
「功名が辻」「暴れん坊ママ」「四つの嘘」「セカンドバージン」「家売るオンナ」「トットちゃん!」「大恋愛」「知らなくていいコト」「恋する母たち」「あのときキスしておけば」・・・とりあえず私が大好きなドラマを挙げてみた。(今は「和田家の男たち」に夢中)

何度、大石静さんのご自宅にうかがったことだろう。ネットがつながらないから、パソコンのフリーズ、スマホの操作、ウイルス対策、脚本ファイルの捜索などなど、困ったことがあれば、仕事の合間をぬって駆けつける。

いつしか、サポートをしながら、大石静という、ひとりの女性とのおしゃべりが、私にとっても大きな楽しみとなっていった。
(トラブル時なので不謹慎ではあるが)

時にはドラマの裏話。時には、俳優さんの話。時には、恋の話や仕事に対する考え方。そして人生への向き合い方。すべてが私にとって新鮮であり、刺激であり、勉強の時間である。

一方、私の節目や、困ったときには、暖かく、しっかりと助けてくださる。
地元で開催された女性のイベントへの講演依頼にも快諾いただき、忙しい中、わざわざ北見まで来てくださった。

地域のイベントで対談いただいたときの地元新聞記事

家族が上京した際には、ドラマ撮影の現場を見学させてくださったこともあった。子どもたちにとって、一生忘れられない思い出になっている。

2014年、初めてテレワークの本を出版したときは、出版記念パーティにも足を運んでくださった。

出版記念パーティでスビーチをいただき、感激中

そんな、尊敬する大石静さんからいただいたアドバイスで、一番心に残っている言葉がある。

「田澤さん、本当に悩んだときは、友達や家族など、他の人に相談するのではなく、「自分の中の、別の自分」に相談して。それが一番納得できる答えになるから。」

困ったとき、悲しいとき、つらいとき、このアドバイスを思い出し、自分の中の「冷静な自分」に問いかけるようにしている。

大石静さんへ

旭日小綬章の受賞、本当におめでとうございます!

勝手ながら、私も自分のことのようにうれしいです。
大石さんにお会いできたこと、長くお付き合いさせていただいていること、いつも感謝しています。そして、大石さんの仕事への姿勢、年齢への向き合い方、そして生き方、心から尊敬しています。
パソコン担当秘書として、また大石静という脚本家の大ファンのひとりとして、これからもどうぞよろしくお願い致します。

※冒頭写真は、「そういえばツーショットを撮影したことがない」ことに気づき、ひさしぶりにリアルにお会いした大切な日に撮った自撮り写真。

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