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事故を防ぐにはやむなし → ◯

冷凍食品のパッケージ裏面の説明書きは、操作のインタラクションや言葉遣いに参考になります。

右側に「やってはいけないこと 危険 袋ごとレンジ不可」と表記されています。絶対にやって欲しくないこと、これをやると火花が出るなど致命的なNG内容を書いている訳です。

細かいことを言えば、駐車禁止マークに否定の意味を持たせているので、不可と書かずに単純に「袋ごとレンジ」だけに駐車禁止マークを重ねれば良いはずですが、そんなことをすれば、「袋ごとレンジ」を実行してしまう人があとを絶ちません。

このパッケージ全体をデザインした人は「やってはいけないこと」=「袋ごとレンジ」を論理的に組み合わせて読む人は少ないと見ているのです。よって論理矛盾のある「駐車禁止マーク(否定)」+「袋ごとレンジ不可」になっていると考えられます。

おそらく太字で書かれた「不可」を優先させたことと引き換えに、駐車禁止マークは薄い色となり、強い決意や意味を表すことなく、飾りになってしまったと考えられます。

本来ならこのデザインは矛盾がありダメなのですが、最終的には駐車禁止マークと組み合わせず、それだけで完結する「袋ごとレンジ不可」の文字列が優先され判断の拠り所になるのは止むを得ないところでしょう。利用者はその1箇所にしか注意が向きません。全体として矛盾だらけでも事故の発生は少なくなるだろうという点で、この表記を良しとしています。


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