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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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#自動販売機

自販機での低価格訴求 → ×

自動販売機で飲み物を買う根源的な理由は、「とにかくすぐにその場で飲みたい」ことがほとんどでしょう。例えばこんな場合が考えられます。ジョギングをして汗をかいた。いますぐスポーツドリンクを飲みたい。子どもが喉が渇いたと飲みものを欲しがって仕方がない。いますぐここで入手できるものは高くて当たり前なのです。 特に日本国内、都市部であれば数分移動すれば、まったく同じ商品が間違いなく安い価格で購入できます。そもそも金額が高いことを気にする人はターゲットユーザーではありません。逆に高くて

高額?商品の自動販売機 → ◯

「だし道楽」という商品名で販売されている調味料の自動販売機です。広島県の会社のようですが、日本全国各地に自動販売機を展開しているので、ご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 お勧めのメイン商品は1本700円なので、高額と呼ぶほどではないかもしれません。駅前に設置されたので、通行人がこの自販機を見かけると珍しいのかあれこれ話題にしています。数十分観察していましたが、実際に購入する人は現れませんでした。 しかし、見かける人がいて話題に上るだけでも、広告効果として

飲み物なら許される? → ×

飲料の自動販売機のそばに設置されているペットボトルや空き缶のコミ箱に、明らかに他の店で購入したタピオカドリンクの飲み残しや、他のプラスチックカップの飲料が捨てられています。 迷惑な行為の原因を少々考えてみました。行動経済学者のダニエル・カーネマンによると、人間は厄介な問題に直面すると、対象となる問題を勝手に自分に理解可能で都合が良い簡単な問題に置き換えてしまう性質があると述べています。 本来の問題は「隣の自動販売機で買った飲料のペットボトル・空き缶専用のゴミ箱」ですが、こ

金額ごとの硬貨の組み合わせを表示 → ◯

地下鉄駅構内の自動販売機で、主に外国人用と思われますが、金額ごとにその金額を支払うには硬貨をどのように組み合わせれば良いのかを一覧できるようにしたパネルを見かけました。 硬貨の絵は現物のコインに近いようにリアルに描かれています。こういう試みはこれまで比較的少ないので、良い方法だと感じました。

飲み物を取る時に目に入る → ◯

自動販売機の設置場所すぐ下の縁石に、「ポイ捨て禁止」の注意書き表示がありました。 この表示場所の良い点は、飲料の取り出し口が下部にあるので、取り出す時に、注意書きが否が応でも目に入ることです。 お釣りを忘れる人はたまにいますが、ジュースを取り出すのを忘れる人はほとんどいません。必ず読ませたいメッセージは、購入者が必ず行わなければならない動作の周辺に配置するのが効果的です。

どうせ置くなら読めるように → ×

自動販売機に販促POPとして貼り付けていた手作りパネルが剥がれたのでしょうか、エアコンの室外機の上に適当に置いてありました。読んでもらおうという意思がまったく感じられません。 対象の自販機から剥がれて地面に落ちてしまったらゴミと同じなので、本来は潔く捨ててしまうのがスッキリして良いと思います。 しかし、捨てずに自販機近くに置くのであれば、通行人から正対して読めるように逆に置くべきだと感じます。

マスキングは試行錯誤の結果であることが読み取れます → ○

本来のインターフェースデザインが悪く、利用者はその機器を見ただけでは何をどうしたらよいかわからないので、やむなく後からテプラで注意書きを貼りつけるというケースは数多く見られます。今回は説明を加えるのではなく、何も文字を書かずして意味を伝える方法をご紹介します。 もともとは冷たい飲み物とあたたかい飲み物の2つのボタンが割り振られていたようですが、機能していない冷たい飲み物を出すボタンを押されないようにするためのマスキングを行っています。 機能していないボタンがあることを利用

残念ながらゴミ箱になってしまう可能性がある → ×

自動販売機前に空き缶の回収カゴを置くこと 日本では人の住んでいる地域であれば多数の自動販売機があります。都心だとコンビニが無数にあるので、自販機で飲み物を購入することは少ないかもしれませんが、ちょっと郊外に出ると自販機のお世話になることもあるのではないでしょうか。 おそらく空き缶を捨てていく人が多いので、止むを得ずスーパーの買い物カゴを利用した空き缶回収カゴを自主的に自販機設置場所のオーナーさんが置いたのでしょう。 しかし、ドリンクの缶の直径に合わせた穴が空いている飲料

分類が無駄になるのがバレてしまうのは良くない → ×

ジュースの自動販売機の隣にゴミ箱が設置されています。ペットボトルと缶・ビンの捨てる穴が別になっていて、一見すると分別されるように見えます。 しかし、よく見ると回収されるビニール袋は同じ袋で、どちらの穴に入れようと、同じひとつのゴミ袋にまとめられてしまうようです。 分類にも対応できるように汎用的になっているのかも知れませんが、結果がバレバレで、せっかくの分類が無駄になるのが明らかなのは良くないと考えます。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally pub