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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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#トイレ

文字がなくてもわかる → ◯

最近(2020年代)建築されたオフィスビルやショッピングビルのトイレの案内サインはこのようなスタイルのものが標準的になってきました。 注目したいのは、トイレであることを示す男女のマーク以外のアイテムです。多機能トイレとしてどのような設備があるのかを、文字だけに頼らず伝えたい人に誤りなく示すのは、グラフィックの力として素晴らしい成果だと思います。

ドア開閉ボタンと認識しづらい → ×

上の「開/OPEN」が点灯して光っているのは空いている状態を示しているのかと思いましたが、どうやらそうではなく押せる状態としての点灯のようです。「開/OPEN」と「閉/CLOSE」は押してドアを開けたり閉めたりする操作ボタンなのですが、「押して開ける」などと補足して書いていないとどうしてもボタンに見えないのです。 対して、中央は使用中/OCCUPIEDとあるので、中で鍵をかけると点灯して使用中の状態を表すインジケータです。これがあることにより、上下にある「開/OPEN」と「

FLUSHボタンが目立たない → ×

百歩譲って英文表記だけなのは許すとしても、お手洗いで一番重要な流すボタンが埋没しており、最悪の場合、流すボタンがどこにある見つけることができない恐れがあります。 センサーなどで人が便座から離れると自動的に流れる仕組みなのかもしれませんが、手動で流すボタンはもっとしっかり存在感を示す必要があると思います。

視認性の良いトイレサイン → ◯

ごく一般的なピクトグラムと色の組み合わせを使ったトイレサインです。現場では写真でみるよりかなり大きく見えます。 また、壁面の最上部の天井付近と最下部の床付近が、青と赤の色のラインでアクセントとして扱われていて、これも男女の区別がしやすくなっており、良い工夫の一つではないでしょうか。 色だけに頼るのはよくないですが、区別の手段として併用するのは現実解としては妥当だと感じます。

チェックリストがあるのに使わない → ×

そのトイレは明らかに清潔に掃除されており、トイレットペーパーも三角に折られていました。しかし、せっかくのチェックリストには記載がありませんでした。 連絡の不徹底か、管理者と現場の意思疎通がないのかよくわかりません。実施したことを客観的に文書化し、可視化できるチェックリストは使ってこそ意味があるので、チェックマークをつけましょう。5項目なら5秒でチェックできると思います。 掃除をする人にとっては、面倒な作業が一つ増えたと思いがちですが、数秒で印をつけるだけなので、やったほう

ほどよい遊び心 → ◯

トイレのサインは何度もこのブログに書いていますが、今回のパターンは興味深いデザインでした。 シルエットとブルー系の色から男性であることは外していない上に、足に変化がつけられています。作者が意図されているかどうか不明ですが、おしっこを我慢しているようにも見えます。 目をつぶって思い浮かぶような直立して正対しているシルエットだけがトイレサインではありません。やりすぎて意味不明になってしまったサインに遭遇することもありますが、これぐらいの遊び心は微笑ましいのではないでしょうか。

気づきにくい → ×

おしゃれなのですが、すごく気づきにくいトイレのサインがありました。 十分な光が当たっていることが前提のデザインなので、薄暗いと見落としそうになりました。マークと背景のコントラスト比が低く、アクセシビリティ的にも問題があります。 トイレの存在が安易に、すぐに認知できることが求められます。なので、多少野暮ったくてもステレオタイプに沿ったサインが妥当かと思います。

男女の区別を色に頼らない → ○

まだ内装工事中でしたので、完成形ではないかもしれません。絵に描いたような最近のトレンドに合ったピクトグラムのスタイルですが、女性用、男性用トイレのサインが、青と赤など色に頼らずシェイプで表現されているのは良いと感じます。 All Gendersはピクトグラムを作成提案したのに合意に至らなかったのか、敢えて文字だけにしたのか興味があるところです。

残念ながら必ずさわられてしまう → ×

もし一般利用者ではなく、施設管理側だけで確認や操作をする機材であれば、目立つ場所に置く必要はありません。一般利用者の目の届かないところに隠して格納してしまえば良いわけです。 百歩譲って、何らかの事情で利用者の目に触れるところに設置する必要があるのであっても、簡単に手の届く場所に置くのは望ましくありません。 禁止事項を書いたところで、好奇心で押してしまう人はいるものです。注意書きを書くなら、一般利用者が押すことを禁止されているボタンを押すと何が起こるか、「警報が鳴る、スプリ