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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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#注意書き

現状を正確に伝える → ◯

工場の敷地内に煙突があり、そこから出る煙について注意書きがありました。ビルの壁面に「↑上部の白煙は水蒸気です」と書かれています。 無意味なクレームを避けるためには、このような情報を掲載しておく必要があるのかもしれません。こんなことまで表示するのかとも思いますが、現状の実態をそのまま事実として伝えることは、やはり必要だと感じました。 ただし、何らかの事情により水蒸気以外のものが発生した場合には、必ず情報開示してもらわないと、信用を失ってしまいます。

注意書きが完全にはがれている → ×

公園内にあった草刈り後に全貌が明らかになった注意書きです。文字が書かれている看板部分が完全にはがれてしまって、下地の金属板だけになっていました。 ゴミ捨て禁止などの類だと思われますが、もはや何のメッセージも伝えていないのであれば、抜いてしまったほうが良いと思いました。

書かなくてよいものがある → ×

「商品の上に重いものを乗せないでください」との注意書きがありました。重いものを乗せて中身の液体が漏れてしまったことがあり、苦情をメーカーや販売店に持ち込んだ人がいたのではと予想されます。 苦情に対する言い訳としては成り立ちそうですが、商品パッケージの表示スペースは有限であり、重要度がもっと高い内容があります。この注意書きが目立つようにデザインされているので、その上にあるアレルギー物質についての情報が埋没し、目に入りにくくなっています。これは優先順位としては逆ではないでしょう

外国語の読みがカタカナで書いてある → ◯

「関係者以外立ち入り禁止」の注意書きが、英語、中国語、ベトナム語などで多国語展開されていました。 よく見ると、不思議なことに外国語の表記に添えてカタカナでの読みが書かれています。これは各外国語が読めない日本人(日本語話者)に対しての表記だと思われます。 立ち入り禁止の違反者を目撃した場合、工場や店舗など運営側のスタッフが口頭で違反者に注意する際に、このカタカナ読みを使うなどが想定されます。注意書きに少しでも実効性を与えるため、単純に視覚情報だけに終わらせない工夫として面白

外装工事のときに「診療中」の表示 → ◯

工事中の個人クリニックで見かけました。外装工事など建物全体が覆われてしまうと、たとえ営業中であってもその中の施設は休みだと思われてしまうことが多いものです。 利用者は自分の先入観でものを考えてしまいます。休みだろうと思ったらよほどのことがないとドアを開けて中に入ってこようとしません。 こんなときに「診療中」や「営業中」の表示は必要です。場合によっては目立ち過ぎるぐらいに表示した方が良いのかもしれません。

詳しくていねいに説明する → ◯

レトルト食品のパッケージに書かれた説明です。「袋の封を切らずに箱ごと電子レンジへ」と書かれています。 ここでは「袋の封を切らずに」が最も重要な注意書きで、少々文章が長くなっても必ず書いておくべきでしょう。封を開けて電子レンジで加熱してしまう悲劇を繰り返さないためには、ここがポイントだと思います。

「空あり」が赤で良いのだろうか → ×

月極の駐車場に空きがあるようです。「空あり」と赤地に白抜きの文字で目立つ表示がありました。 月極駐車場を探している人から見れば、空きがあることは良い状態、望ましい状態のはずです。また、時間貸しの駐車場でも空きがある場合には緑色、満車は赤色の電光掲示板で示すことが多いように思います。 よって、できれば問題があったり良くない状態を示すような危険色の赤を用いるのではなく、通常状態、OKを示す色を用いた方が良いのではないかと考えました。ただし単純に緑にすれば良いと言っている訳では

お願いでは弱い → ×

ごみの不法投棄に注意を促す注意書きがありました。注意書きの看板には下記の文言が記載されています。 記載内容はその通りですが、懇願するような言い回しで、禁止を促すためには、語気が弱いと感じました。 例えば「不法投棄は犯罪です」など見つかれば罰則があること、あなたに不利益が及ぶことを具体的に示すほうが、より抑止力を高めるのではないでしょうか。

具体的な数量を示す → ◯

コーヒーを保存する際の注意事項に、「袋を2回以上折り、クリップなどで密封」と記載されています。 当たり前のことのようですが、なんらかの事情で自活が困難だった人や他人に依存し切っている人たちにとっては、このような身近なガイダンスが必要な場合があるのではないでしょうか。 密封するには1回折るだけではダメだけれど、10回も折る必要はないという意味合いで、2回以上と書かれているのがポイントです。 「適量」は中級者以上にはわかりますが、全くの初級者には具体的な数量がわからず、見当がつ

やむを得ず書かざるを得ない → ◯

 お菓子の食品パッケージに入れられる乾燥剤に「電子レンジ不可 DO NOT MICROWAVE」「たべられません DO NOT EAT」と表記がありました。 昔の私なら一般常識でわかる当たり前のことは書かなくて良いと考えていましたが、このような安全上の注意書きはむしろ書くべきだと考えるようになりました。例えごく少数でも、この白い小袋の意味がわからず口にしたり、電子レンジに入れてしまう人がいるかもしれません。 また、もし可能ならなぜ乾燥剤が入っているのかを、簡単に説明する文

6ヶ国語での表示 → ◯

郵送で新型コロナワクチンの追加接種(3回目接種)の案内が来ていました。封筒の裏面には、6ヶ国語での表示があります。最後の日本語はふりがなもついていて、やさしい日本語表記でした。 難しい内容ではなく比較的単純なことですが、この書類が重要であることの注意喚起になるはずです。この試みは素晴らしいと感じました。

こなれていないが意味はわかる → ◯

「外装開封後は日持ちしません」との注意書きがありました。全体で10個入りのバームクーヘン個包装に書かれていた文言です。 外装って何を指しているか分かりにくく感じますが、個包装のことではなく、個包装が10個入ったパッケージの袋のことです。洗練されておらず、ぼんやりした注意書きですが、伝えたい内容自体はわかります。 完璧にやるなら個包装も全体パッケージのようなしっかりした包装にしたり、個包装側にも賞味期限を印字したりするなどの手法があると思われます。しかし低価格を売りにしてい

地面に近い位置に表示 → ◯

下り坂の歩道に設置されている注意書きは自転車に乗る人に対して、「歩行者に注意せよ」のメッセージです。よく見ると子ども向け専用でもないのに、地面から30cm〜50cmくらいの位置に設置されています。 おそらく自転車に乗る人の視線が前方下になることから、このような位置になっているものと思われます。乗車姿勢も関係して、自転車でもバイクでも二輪車は特に地表面に近いところに視線が来ると考えられます。 理想はこんな注意書きやポールなどない状態が、歩行者にとっても歩きやすいので良いと思

「外袋から取り出して」の強調が弱い → ×

常識で判断できそうなことまでを事細かく記載した注意書きが、必要以上に肥大化するのはあまり良くないと考えています。しかしながら、火災の恐れがあるような危険な操作については真っ先に触れ、強調する必要があると思います。 上記例では、②加熱後取り出した容器での「やけど注意」に重きが置かれていますが、①「外袋から出す」ことのほうが、電子レンジ加熱で問題を起こさないためには重要ではないでしょうか。 一度でも電子レンジで加熱をした人なら、子どもでも熱くなるのは理解できますし、手を加熱後