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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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2023年3月の記事一覧

「持ち出し中」じゃなく「配達中」ではないだろうか? → ×

最近は荷物の宅配でも、書留などの郵便物でもインターネットの追跡ページで配達状況を確認することができます。下記は日本郵便による追跡ページの一部です。 最下行が最新の状態ですが、配送履歴の欄に「持ち出し中」とあります。最寄りの郵便局の配達員が郵便物を持ち出して、目的の家へ配達中という意味だろうと思います。 違和感を感じるのは配送履歴に表示されているステータスの状態に(おそらく)社内の用語を用いていることで、利用者からすれば「持ち出し中」ってなんだろうと感じてしまいます。「何か

袋が大きすぎる → ×

原材料費や配送にかかる費用、さらに人件費の高騰によって、企業経営はますます厳しさを増しています。しかし、人の気持ちに配慮することも必要です。 写真の菓子パンは人気の定番商品で昔から食べていましたが、昨今の食品の例に漏れず、中身がだんだん小さくなっているようです。最も良くない点は、袋は従来のままの大きさで中身の容量だけが小さくなっていることです。大きな袋に小さな中身というバランスの悪さが一番顧客をがっかりさせます。 同じ中身のサイズを維持して値上げができればそれに越したこと

道具を使わずすぐに開けられる → ◯

宅配の日常化に伴って、荷物を送るための包装の工夫や技術の進展が著しくなっています。写真の包装パックも左上の突起部分を手で右方向へ引くだけで、簡単に開封することができます。ハサミやカッターナイフを使う必要もありませんし、握力が弱い人でも開けるのに不自由することがありません。 段ボールや紙製の包装容器の工夫は、人類に貢献する優れた技術とノウハウだと感じます。もっと評価されても良いのではないでしょうか。

「2割引」だけでなく商品に割引後の価格を表示する → ◯

今日は牛肉の特売日でしょうか、2割引の表示が目を引きます。そして「表示価格は割引後の価格になっております」との表記が添えてありました。 キャッチコピーとしての「2割引」は購買意欲をそそるためには良いのですが、買うかどうかの最終決断は、結局自分の財布から支払うのは具体的にいくらになるかによると考えられます。 頭の中で瞬時に暗算ができる人は少ないし、これだけのために頭脳のシステム2を起動させるのは面倒です。よって割引後の価格を商品に表示するのが望ましいと思います。

工事終了後の看板サインの置き方 → ×

ガードレールに破損していた箇所があり、しばらくそのまま放置されていましたが、ようやく修理の工事が完了したようです。 しかし、工事がすでに終わっているのに、工事前の状態を知らせる「危険」マークの看板サインが高々と掲げられています。ロードコーンに被せるタイプなので、こうするのが風に飛ばされないためには合理的ですが、まだ工事中のように見えてしまいます。 危険でもないのに危険と表示するのは、その逆よりはるかにマシです。でも可能なら、直接地面に伏せて置くとか、ブルーシート的な覆いを

自販機での低価格訴求 → ×

自動販売機で飲み物を買う根源的な理由は、「とにかくすぐにその場で飲みたい」ことがほとんどでしょう。例えばこんな場合が考えられます。ジョギングをして汗をかいた。いますぐスポーツドリンクを飲みたい。子どもが喉が渇いたと飲みものを欲しがって仕方がない。いますぐここで入手できるものは高くて当たり前なのです。 特に日本国内、都市部であれば数分移動すれば、まったく同じ商品が間違いなく安い価格で購入できます。そもそも金額が高いことを気にする人はターゲットユーザーではありません。逆に高くて

ペットボトルキャップに開ける方向の表示は必要だろうか → ×

ペットボトル飲料のキャップを開ける方向は、反時計回りと決まっています。閉める方向はこれとは逆に時計回りです。ドライバーでネジを閉める方向、緩める方向と同じです。(ネジは逆のものも存在することは知っていますが、何らかの理由がある特殊なケースがほとんどです。)反対方向になっているものを見たことはありません。この記事をお読みの皆さまも、方向など考えずに、おそらく無意識でキャップを開けていると思います。 この種のものは、バラバラだと混乱を生じるので、長い歴史の中で標準化されどちらか

木を切ることすべてが悪ではない → ◯

住宅地ながら山林に比較的近いところに住んでいるので、散歩のため林の中を歩くことがあります。久しぶりに少し遠くまで歩いてみると、一部の木が切られているのに気づきました。 林全体から見れば、1割にも満たない割合でしょうか、日当たりが悪くなっているようなところや、密集していた箇所の木が間引かれているような感触でした。 昨今、木を切ること自体が何やら悪いことのような風潮があるように感じてなりません。もちろん昔のようにやみくもに木を伐採することは望ましくありません。しかし、人間が森

停止中なのにディスプレイがついている → ×

オフィスビルなどで使われる空調設備(エアコン)の操作パネルです。いろいろ指摘したい点はありますが、最も分かりにくいと感じたのは、運転中か停止しているかの区別がつきにくい点です。 運転中ボタンが点灯しているか消えているかによって、運転/停止の状態は頭で理解することはできます。しかし、停止状態であっても、しばらくディスプレイが明るいままの状態が続きます。10秒ほどするとディスプレイの輝度が落ちてディセーブルの状態になりますが、完全に消えることはありません。 このため、ディスプ

外見だけではキャップが回すタイプかどうかわからない → ×

チューブ歯磨きのキャップは、そのまま引っ張って開けるタイプと、ネジが切ってあり回転させて開けるタイプに大別できます。 どちらか一つのタイプだけを使っていれば、慣れてしまい毎回迷うことはありませんが、似たような外観の歯磨き2種類を併用していると、外見が同じなのでネジのタイプなのに、無理に引っ張ろうとしてしまうことがあります。 チューブ型接着剤(セメダインやボンド)のように細いキャップであると、ネジタイプで回転するのだろうと容易に想像がつきます。しかし歯磨きは外見がそっくりの