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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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2018年3月の記事一覧

注意書きの肥大化はいかがなものか → ×

市販されている納豆のパッケージに書かれた注意書きが目を引きました。 納豆を美味しく食べるためによくかき混ぜることが出発点だったのに、ごく一部のクレームに備えて赤字で目立つように記載せざるを得なくなったのでしょうか。最近の風潮として仕方がないのかも知れませんが、なんだかなあと感じる秋の日です。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally published at ktazuke.goat.me on Oct 10, 2016

多国語バージョンの券売機 → ◯

都営地下鉄の駅で多国語バージョンの券売機を見かけました。日本語、英語、中国語(簡体)、中国語(繁体)、韓国語、フランス語、スペイン語、タイ語の8種類の言語が選択できます。 タッチパネルのディスプレイがかなり巨大で存在感がありますが、それ自体は問題ないと思います。すべての画面を見たわけではありませんが、操作系は比較的こなれていて、ユーザビリティテストも実施されているのではないかと思いました。 多国語バージョンの券売機なので、当然かもしれませんが、デフォルトの言語は英語のメニ

このドアは閉鎖中なので右に進め → ×

閉鎖中の対象と矢印の対象 故障か強風など何らかの理由で、正面のドアが閉鎖中になっていて、それを表すパネルが設置されていました。 本パネルのすぐ後ろにあるドアが「閉鎖中」であり、矢印(→)の方向である右に進んで、右にあるドアから出てくださいという内容であることがなんとなくわかります。 矢印(→)の方向、つまり右側にあるドアが閉鎖中という意味ではありません。普通はここまで分析的に考えることはありませんが、もしかしたら、ごくわずかの人が矢印の先にあるドアが閉鎖中だと考えるかも

音を表現する注意書き → ◯

ジャムの瓶にあった注意書きです。「ふたの中央部がポンとふくらめば密閉が保たれています」とあります。 実際にふたを開けてみると、「ポン!」という大きな音がします。この場合は大きな音ですが、ある操作によって特徴的な出来事がある場合には、その最も目立つ出来事をリアクションとして記載するのは良いことだと思います。 開けた後のふたのふくらみはよく見ないと見過ごす人もいるでしょうが、「ポン」は聞き逃す人は少ないでしょう。注意書き記載の中でも「ポン」が最も重要です。 ※本記事は筆者ブ

黄色の動物が多いようです → ◯

正式名称はなんというのか不明ですが、工事現場で動物をモチーフにした柵をよく見かけます。 動物バリケードとか単管バリケードなどと呼ばれているようですが黄色の動物が多いのはトラテープ同様に安全色であり、他から突出していることからなのでしょうか。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally published at ktazuke.goat.me on May 14, 2017

店舗の外からも見える大きいのぼり → ◯

食品スーパーの店内に「パン20%引き」と書かれたのぼりが目を引きました。店内で見ると必要以上に大きすぎる気がしましたが、よく考えてみると、これは店内はもとより、店舗の外を通行する人に対して告知している要素が強いのではないかと思いました。 ガラス越しですが、店内は照明で十分明るいので、黄色に赤文字ののぼりはかなり目立ちます。全部読めなくても「20%引き」の部分だけでもはっきり認識できれば、店舗付近の通行人を引き寄せる効果があるのではないでしょうか。 ※本記事は筆者ブログから

最初から逆さま → ◯

トマトケチャップが残り少なくなると、容器を逆さまにひっくり返しチューブのそそぎ口を下にして、冷蔵庫に収納していませんか? 通常の容器だとそそぎ口を下にすると不安定になり、両側からドレッシングの瓶などで挟み込んで支えていないと倒れてしまう欠点があります。 そこで最初から逆さまになったケチャップ容器の登場です。これは底面積が大きいので問題なく自立します。また、残りわずかになってきても下方向に集まるので、苦労せずキャップを開ければすぐにかけることができます。逆転の発想だと感じま

Designing Ours「自分たち事」のデザイン → ◯

渡辺保史さんは、日本における情報デザインのパイオニアの一人であり、地域再生や科学技術コミュニケーション教育などの領域で活躍されていましたが、惜しくも2013年に急逝されました。 本書は生前の渡辺さんによって70%〜80%程度執筆されていた遺稿をクラウドファンディングを募ることによって、オンデマンド出版された書籍です。札幌在住時代にわずかではありますが、交流があり、その活動に憧れを抱いていましたので、案内を知ると同時にすぐファンドへの支援を行いました。 執筆当時からすると6

まわすのか押すのかわかりにくい → ×

某所洗面所の水栓ハンドル部分です。黒いゴムの部分を手前に回転させると水が出るのですが、そのきっかけになるものがなく、図示もされていないのでわかりにくいと感じました。 黒いゴムの部分がバネを連想させるので、右の金属部分を押すのかと勘違いしてしまいました。回転であれば、明らかに回転であることがわかるような突起物をつけるとか、ハンドル風の部品で構成するなど見慣れたアイテムのほうが望ましいと思います。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally published

ご機嫌なドーナツ屋さん → ◯

多摩川の近くにあるとってもご機嫌なドーナツ屋さん、ハグジードーナツ。まつかわさんのドーナツはホントにおいしいです。土日祝日だけの営業で、11:00〜18:00が営業時間ですが、午後には売り切れ続出です。 店主のまつかわさんは、キャラクタもユニークな方で、最近では書籍「失われたドーナツの穴を求めて」にもコラムを寄稿されています。 一度食べるとドーナツの概念が変わります。お近くの方はぜひお試しください。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally publi

操作ガイダンスに「おわり」は不要 → ×

風で水滴を吹き飛ばして乾かすジェットタオルの操作ガイダンスを見て、ちょっと違和感を覚えました。 左と中央は利用者の操作を示していますが、右の「おわり」は状態を示していますが、操作ではありません。 見た目の統一感で何か文字が欲しかったのでしょうが、「おわり」無しがむしろ良いと思います。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally published at ktazuke.goat.me on Aug 16, 2015

マイパブリックとは何かが少しわかった → ◯

川崎市の主催で行われたトークイベントに田中元子さんと山崎亮さんが登壇されると聞いて、参加してきました。メインタイトルは「かわさきかってにおもてなし大作戦」。川崎市が2020年オリンピック・パラリンピック開催に向けて推進している「かわさきパラムーブメント」の市民参加型プロジェクトの一環だそうです。 「かわさきかってにおもてなし大作戦」では市民のみなさんがやってみたいと思うマイプロジェクトの実現を応援します。ということで、「マイパブリック」の著書を出された株式会社グランドレベル

7人掛けをデザインによって強制させる方法 → ◯

JR中央線の座席シートですが、7人掛けを促すように、ひとり分のスペースにくぼみを入れて、さらに2席、3席、2席に分割されるように縦の柱を挟んでいます。 以前「譲り合って7人掛けで座りましょう」という規範にたよる標語は実効性に乏しいと書きましたが、上記方法はデザイン(アーキテクチャー)によるひとつの解決案です。 2人分をひとりで占有しようとすると、座りごごちが悪くなるため、ひとり分のくぼみに収まるという仕組みです。また、3席ある部分に座る場合も柱側に詰めて座る傾向が強いので

OPENが半旗のようで、オープンしているように見えない → ×

訪問介護やリハビリテーション施設の入り口に手作りのOPENと書かれたポールがありました。 すでに営業時間になっていると思われる時間帯でしたが、OPENの位置が棒の下のほうにあるため、片付けられているように見えてしまい、現在オープンしているように見えませんでした。 もしかしたら作業前の状態なのかも知れません。もう使われなくなった用済みのゴミなのかも知れません。しかし入り口付近に設置されたこのポールを見る人は、現在OPENしているサインだと思うでしょう。 誤解を避け、OPE