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TAYU_WEEKLY

「note」の3記事目。
今日は仕事について思いの丈を綴る。

18歳、高校3年。
夢や希望もなかった自分は、実家に近い中小企業へ就職を決めた。
4月、向上心もなくダメな社会人の典型的なやつが初出勤を迎える。
1日目は大体工場の運営方針、業務内容の見学といったところだ。
正直な感想は「つまんなー」の一言に尽きた。
流れ作業、ただ機械に向いて立ち会話もない。毎日こんな作業を続けるのか。まあいいやお金もらえるし。
ダラダラとこんなことを思いながら1ヶ月が過ぎた。
ある日、研修を受けているといつもと違うアラームが工場内に響き渡る。
あれ?この音聞いたことないぞ?そう思い当時の指導者へ報告した。返事は「気にすんな。」だ。
その30秒後、大きな扉から課長が慌てた顔で入ってくる。と同時に黒煙が部屋を一気に覆う。火災だ。
「普通にヤバいじゃん😱」もう半分声に出てただろう。指示に従い外へ避難した。
外へ出てみると、黒い煙が窓から立ち昇っている。避難をしようとした時だ。
「おい、鞄は?財布は?」そう話しかけてきたある男性。同期共に「ロッカーの中ッス」。
それを聞いたこの男性はどうしたと思う?黒煙の中まで入って2人分の財布と鞄を持ってきてくれたのである。
その男性は僕の中学時代の友人の母親の弟であった。
その男性は今もお世話になっている素敵な方だ。

さて、ここから2ヶ月に渡るゴールデンウィークが開催された。

そして7月。数名の独身男性が呼ばれた。
工場長より、「〇〇県に子会社がある。行ってきてくれないか。」
僕は快く引き受け、8月から一年3ヶ月間雪国の方へ赴任することととなる。
条件は引っ越し料金10万円。
住まいは収集された男5人でのシェアハウスであった。
私は2回の角部屋を頂き生活をしていた。
ここで言うが僕は少し潔癖症であった。
同じ洗濯機を使うのも嫌だし、風呂に流れていないチン毛や頭髪を見るだけで鳥肌が立つレベルであった。追々慣れたんだけどね。
そんなこんなでなんとか1年3ヶ月を過ごして地元へ帰宅した。

帰宅後、新しく建てられた工場へ出勤となる。
そこで出会ったのが左の脚に障害を持ったお兄さんであった。
仕事には真面目で、休みの日はしっかり遊んで、彼女を大切にされている方だ。
僕はその方との会話で、以下の文を投げかけた。
「このままこの仕事しててもいいんですかね。あれだけ歳取っても重い物持って薬品扱って、、、。」
そのお兄さん先輩は自分の脚の障害の事から色んな考えを僕に投げかけてくれた。
その方は脚の障害があり、ずっとこの仕事は続けられない。今はデスクワークの仕事を探してる。との事で転職を考えている様だ。
僕も何か、、、と考えたが、なにせよ夢や希望もないまま歳を取っていた物ですぐに見つかるはずは無かった。

ある日夜勤を終えて自宅で寝ていると、階段下から父親の叫び声が聞こえる。
焦って声の方まで駆け寄ると、母がトイレから崩れ落ちている。目は開いており何かを訴えている様だが、「ア、ア、ア、、、」であり聞き取ることができなかった。
母は救急車、父も一緒に向かった。
僕は妹を連れ病院へ向かった。
幸い発見が早かったため、点滴による安静を2週間程すれば帰れるとの事。
毎日仕事終わりに通って母を見に行った。

母の退院後、ふとこんな話をされた。
「病院でね、リハビリって仕事があるらしい。色々検査みたいな事されたり本を使ったリハビリをしてくれた」。
リハビリって何だ?なんて言う仕事なんだ?興味を持ち調べていたら、当時マッチングアプリでマッチングひていた女性が、県内専門学校を卒業した現役の作業療法士であった。
マッチングアプリの相手が勧めてくれたなんて両親には絶対に言えないが、僕はその専門学校に見学を行くこととなった。
「これだ。作業療法士だ。母を見てくれた人の様になりたい」。
目標ができた時だ。
左脚のお兄さんに後押しをされ、私はその専門学校を受験、見事合格をした。
人生を変える後押しをしてくれた左脚のお兄さんには今でも感謝しかない。

専門学校についてはまた後日記事を書くかもしれないが、今回は割愛させて頂く。
本当に4年間の専門学校で色んなことを学んだ。

こうして今、県内病院で作業療法士として働いている。
母は本を読むことが昔からの休息の時間であった。
母を担当した作業療法士は、その人の作業というところに重きを置いている。
こんな人の様に大切な作業療法を取り戻せる手助けをしたいと母を出来事を芯として今も働いている。

一般的に作業療法士は「手のリハビリ」、「生活の動作を見る人」などと説明されているが違う。
病気によって失われた作業を取り戻すためであれば何でもやるのがこの仕事。
固定概念は必要ない。
エビデンスも関係ないと言いたいところだが、そこはちょっと大切にしているところ。
僕はこの価値観で仕事をしている。先輩はからお叱りを頂くこともあるが、自分の芯だけは曲げない様にしている。

こうして夢も希望もない社会人はいまこうして働きている。

それでは点滴している右手が痛くなってきたので映画でも見るとします。

じゃあね〜

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