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読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」


1.読了本

この前貼った以下の本を読み終わった。

レヴィの神話分析はそれ自体が神話、みたいな「悪口」をどこかで読んだが、思ってたほど「神話」じゃない印象。面白い論理だった。
だからと言って合点したわけでもない。そもそも理解不足。難しかった。
ただレヴィが分析した当の神話を幾つか掲載してくれてるので、読みながら自分も思いついたり感じたり。以下それを列挙しメモしておく。
(そういう傾向を感じた程度であり例外もある)

2.列挙

1.登場人物に名前がない。
「男」というだけ。「あるところにおじいさんとおばあさんが」のノリ。神話というより昔話に類似。

2.そもそも「神話」といいつつ神様が登場しない。
「神」と明記されてなくても登場人物は神的位置と解釈すべきなのかも。

3.神様は出て来ないが霊は登場。たいてい悪霊

4.家族言語がある。
少なくとも祖母、父、母、妻、第二妻、子、弟、叔父は単語が登場した。

5.動物が擬人的に登場する。
ただ同じ動物が複数は登場しない。その動物の妻なら出てきたが。そういう意味で動物は固有名詞的。

6.近親相姦がテーマの神話を集めてあるがどの神話も「タブー」を名言してはいない。それどころか近親相姦した息子が父に復讐し成功する。悲劇でも因果応報的でもない。

7.普通に息子が母を「強姦する」。

8.「動詞」の系統が案外、少数なのでは?と感じた。
生死系(「死ぬ」「殺す」「生き返る」他)食事系(「食べる」「飢える」他)交尾系(強姦、近親相姦他)移動系(「歩く」「放浪する」他)の4つが基本。これに少し社会的な援助系、復讐系、知略系の3つ、合計7つの系統の動詞で「締め」括る場面やエピソードを繋げて構成されてると感じた。

9.「神話」の固定度合はどれくらいなんだろう?
文字がないのだから1年後に聞いたら全然変わってしまっていても不思議じゃない。というか変わる方が自然な気がする。

10.そこそこ「長い」。記憶しとくにはにそれなりに頭を使いそう。

11.動物と霊以外、登場人物は基本「家族」だけ。
他の人間は「村人」として一緒くた。「その他大勢」。

12.3世代登場するが世代交代はない。ササエさん的。
これは項番1と関係してそう。主人公が「男」だから例え世代交代しても「男」。つまり「変わらない」というか「変われない」。

13.主人公以外への場面の切替が無い。
「主人公は放浪していた、その頃村では」という構成は無い。

14.「受動態」がない。
「AがBにXした」は「BはAにXされた」だが、後者の表現がない。
単なる見落としか翻訳のせいかも。 

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