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2021年1月の記事一覧

自動筆記9 庭師の庭シャワー

自動筆記9 庭師の庭シャワー

傘をいくつもいくつも刺してもしっくり来ない夏が続いた。上とアザラシ、下と空気、右と全部の言葉。細胞分裂が進む外で、鉛のような雲の動きに属せない言語空間の点と点に、かかるはずもない橋をかける。隙間を縫うように1番身動きできないありがたい所へと跳ね進みながら、知らない自分で笑っている。浮遊感だけが取り残され、ランニングマシンに乗ってるみたいに理解できてしまう体験が乾いて、汗が空に落ち、プールの塩素の匂

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自動筆記8 ニューロンの体重

自動筆記8 ニューロンの体重

電車みたいな海苔巻きに乗り、いつもみたく感覚はとぐろをまき、海の中や森の中、いたるところに僕はいた。この意識の中にぽつりとあること、遠隔された歌が、せっせと歩いている音。細胞が雲みたいに、ふぁーと外へ行きながら、形を保ち、ありがたい匂い。あり得ないことは、刹那に起きてて、見向きせずに生きている。常識に守られて、思っている以上に着込んでいる。それでも寒いと思っていて、全て脱いで仕舞えば暖かいことを知

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自動筆記7 暇という芸術

自動筆記7 暇という芸術

水面と中にあるもの、目、歪んで見える。いつもだ。いつもだから意識が内側に向く。矢を一つ一つ丁寧に抜き取り逆方向へ投げていく。見る時見られている、食べる時食べられている、笑う時笑われている。カモメが鳴きそうな静寂が、海の上に産まれる。かき混ぜられるように動く海に白泡が、伝えを宿している。降り注ぐような外から、大切なことだけが芽のように内側に生える。中で花が咲き、外が土。土を触るように歩き、情報を体験

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自動筆記6 飢餓の幸福感

自動筆記6 飢餓の幸福感

目立たないもの、目立つもの、視力、透視された遠隔操作。細胞ひとつひとつを裁縫して、石に大きなタトゥーを彫る。井戸を覗き、よりリアルに世界が迫ってくる。生きていることが、より鮮明にわかる。玉葱の中心で待ってるあなたに、思い出を届けたい。首を絞めるような固定費に、持続可能な空、いつか終わるはずの今が、この炭素が尽きるまでは続くだろう。ビタミンに意味があるのか、と言われ、意味とはビタミンだと答えた。太宰

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自動筆記5  R-1落ちたよー

自動筆記5 R-1落ちたよー

いつにも増して、寒さではないような空気が暖かく感じたりして、生きているのか飽きているのか問わないうちに、遠く及ばないカモメの踊りとかを眺めていたり、近くて遠いものばかり。そこに儚さや一切のニュアンスを超えて、O型のあり方とか個性だとかそういう規定に素直になった。なんにもないようで、何かあるような日々と、とてつもなく流れで力のこもってない行動とが、2匹の龍のように、それは外から見ると果てしなく宇宙を

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