2020年9月の記事一覧
9/27 ガソリンの匂いへの好感
街路樹から見る百会の可愛さを正面に溶け込ませながら、意識を感じる意識で、そのエコな遊びで、楽しんでいる。自分の過ちとして、降りかかってくる、コンクリートのこぼれも、にわか雨も、僕ではない誰かに鳴らされたクラクションも、数式張ったタイルも、意図ばかりの単純接触効果も。そこに重なるように、まだ見ぬ愛が薄透明な形で、物質感を持って泳いでいるのがわかる。ぐにゃぐにゃとした縦も横もないような空間で、奥行きも
もっとみる9/7〜AVに頼らない射精
この身体が得意になることがある。電車の窓に映るシルエットは絵に描いたような女の子で、チェック柄の短いスカートを履き、半袖なカッターシャツ、ローファーと長いとも短いとも言えない白靴下。電車が揺れ、咄嗟に吊革を掴むその華奢さ、あどけなさに、守りたいと思わされる。身体はやっぱり私の所有物ではない。私はこの身体をずっと愛していきたい。トンネルを抜け、電線と街並みが凄い勢いで流れていく。引き伸ばされながら存
もっとみる8/30〜 身体に住む生物たち
スマホを持つと液晶が光り始める。水晶玉みたく、魔法が手元にある。ロック画面には何も入れたくなくて、色や存在さえないものを設定したいけれど、この次元ではたぶん不可能だから仕方なく白、原色の白、限りなく無に近い色を入れている。まず時間、日付が目に入る。時間という社会的なものは、ずっと生に含まれ続け、こうして表示されることに便利さを感じるという反応をしている。指が動かないことを知る。パスワードを設定して
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