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#タクシードライバーは見た「多人種都市、東京」

東京という街は地域によって人種が変わる。

新宿の特に歌舞伎町周辺は柄の悪い系が多いし、池袋も雰囲気は似たような街。
千代田区の大手町、丸の内に行けば大手企業っぽいシュッとしたサラリマーンが多いし、新橋には所謂サラリーマンという感じのおじさんが多い。
日中の銀座はアジア系の観光客が多く、夜はおじさん達が息抜きをする。
港区の六本木、西麻布、麻布十番はクラブで遊ぶ人もいれば大人な感じで遊ぶ人もいる。

港区の高級住宅街付近のお客様をお乗せした時に驚く話を聞いたのは、
「もう5年くらい、新宿とか池袋行ってない」ということだった。

嘘だろ!?
車で15分ほどあれば行ける距離、飛行機を使う訳でもなければパスポートも要らない。
通り道として利用してもおかしくないのに、5年くらい行ってない。

乗務していれば必ず一日に一度はお客様をお送りするからこそ、驚きを実感できる。

でも、実際によっぽどの用事がなければ新宿に行く必要はないということは納得できるし、そもそも人種が違うのは感じていた。

六本木の夜は外国人が多いし、銀座の日中はアジア系の観光客が多い。
そんな本当の異国感を味わうこともあるが、
それとは別に現実にはいくつもの異世界が存在している。

異世界というか、高級住宅街の広尾に住む人と池袋に住む人では
すれ違う人も出会う人も食べるモノも持ちモノも、
話す内容も興味の矛先も、悩みごとも何もかもが違う。

ほんの数キロ先の場所なのに。

そんな違いが東京の山手線の中だけでもいくつもある。

まさに多人種都市だ。

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