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私が隔日勤務に慣れるまで。東京のタクシードライバー

みなさん、こんにちは。
タクシーチャンネルのげん太です。

本日はタクシー特有の働き方である「隔日勤務」についての記事です。本文の最後にはリアルな隔日勤務のメリット、デメリットも書いています。通勤の交通費は出ない業界です。勤務体系について私の経験をお伝えします。

1.タクシー「隔日勤務」はじめての感情は「不安」

・隔日勤務を知ったのは面接時

私は26歳の時、東京のタクシードライバー業界に未経験として入社しています。転職活動をしていて面接で初めて知ったのがタクシーの「隔日勤務」です。それまではオフィスで週で5日働いていたので、月に11~13日しか出社しないタクシーの隔日勤務は、働く回数が少なくてラッキーだなと思いました。とはいえ、1日の労働時間が21時間にもなるというリアルな話を面接で聞いた時は「長い時間大丈夫だろうか…」と思いました。当時、お金をしっかり稼ぎたいという動機で転職活動をしていたので、私の他にも隔日勤務をやっている人はたくさんいるし、頑張れる時に頑張ってみたいなと思いながらもタクシーの「隔日勤務」やってみるまでずっと不安でした。

タクシー会社1社目の決め手だったのは、面接官の人柄が実直、素直で等身大だったことです。その方とは今も仲良くしていますが他社がやっていた社長面接や立派な資料よりも、私は対等に話せる、質問できる人柄の方が良かったし、何より私を選んで欲しいなと思いました。求人に書いている勤務時間や勤務日数よりも、実際は多く働くよ…など私を採用してくれた面接官は正直に話してくれました。

2.「隔日勤務」慣れるまでの身体の不調について

・仕事中の睡魔について

タクシー隔日勤務の休憩時間は3時間です。当時、私は8時〜翌4時というシフトで働いていました。休憩時間はおおよそ12時~13時、16時~17時、21時~22時でしたが、22時の休憩を寝過ごしてしまうことが多かったです。深夜の運転は特に翌2時くらいに強烈な眠気が来たりします。その際、路肩やPAで小休憩を取るのですが、ウトウトと…寝落ちてしまうことも多かったです。慣れるまでは休憩時間は全く安定せず、3時間が4時間になったり4時間を超えてしまうこともありました。(ごめんなさい)

・仕事後に脳が覚醒してしまって寝られない

慣れてきた今は仕事後、すぐに眠くなってスッと入眠ができるのですが、仕事をはじめたばかりの時は仕事が終わって帰宅しても「脳が覚醒して」寝られませんでした。私は黒霧島というお酒を片手にYouTubeを見たり、ゲームをしたり野球のハイライトを見ながらウトウトしてきたら寝るという日々が続きました。慣れるまで脳が覚醒して寝つきが悪くなりました。それと、タクシードライバーの配偶者や家族、同棲パートナーに伝えたいことがあります。それはタクシードライバーを始めたばかりの時「青白い顔で朝帰りをする」「ストレス発散のためにタクシーの話をする」「ちょっと稼いできたら稼げるスキルを自慢される」はよくあることで普通です。慣れてくると時間も収入もそれなりに良くなることがある仕事なので、最初は大目に見てあげてください。

・仕事中はお腹が減らない

タクシーの仕事をしていると車の振動で内臓が揺れるからか、お腹が空きにくいです。タクシーの前にやっていた仕事では、お昼時間の12時になるとキチンとお腹が空いていてご飯を食べるのが楽しみだったのですが、タクシードライバーの仕事中にお腹が空くという感覚はないです(もちろん明けの日は腹ペコ)今は仕事中お昼ご飯はとらなくてもいいし、カロリーメイトが2本もあれば12時間は大丈夫かなくらいに思っています。それが続くと身体に良くないので、プロテインやおにぎり、サラダなど栄養のバランスを考えて摂るようにしています。(お弁当を持って行くのがなんだかんだ一番良いです)

・鼻がやたら詰まる

タクシードライバーは、仕事の時間のほとんどを車の中で過ごします。エアコンや空調のゴミが私の鼻の穴にめちゃくちゃ詰まることに気がつきました。数時間に一度鼻をかむとスッキリします。冷暖房が完備されている車内で仕事ができるので暑い中、外で仕事をするよりもずっと快適ではありますが手先が冷たくなったり、足が冷え性な人は定期的に車外に出て温度調整をした方がいいと思います。同じ姿勢での長時間勤務は身体に良くないです。私はお客さまを乗せている赤信号待ちの時に手足グーパーグーパーしたり、回送の時は靴を脱いでいたり、休憩時の車外ストレッチなど身体を動かす機会を大事にしています。また鼻詰まりが酷くならないように、定期的な車内空気の入れ替えをしています。

・勤務を終えて脚がフラフラする

隔日勤務は1日で2日分の勤務をします。(だから月に11~13乗車しかないのだ)そのため1日の乗車が16時間以上になります。実際やってみると想像以上に身体は疲れました。車庫に帰ってきて車から降りると「脚がフラフラ」したのです。(まっすぐに歩けない感じ)小刻みにプルプル震える時もあったし、すごいな隔日勤務(笑)それも身体が運転に慣れてくるとフラつきもなくなりましたが、デビュー初日の足がおぼつかない衝撃は今も覚えています。多くの同業者に聞いても「最初慣れるまでの隔日勤務は大変だよね。でも慣れるとかなり良い勤務体系だよね」という話をしています。

3.隔日勤務になれる日数

私は隔日勤務に慣れるまでは約20出番でした。20出番は1ヶ月に11~13出番を乗れるので、約1ヶ月半くらいかかりました。寝付きのための寝酒を飲まなくなるのはもっと先になりますが、大体のルーティンが分かってくると徐々に身体が順応していきました。私の同僚は1~4ヶ月くらいで慣れる方が多かったです。どうしても隔日勤務に慣れることができない人は、「昼日勤」をやらせてもらっています。週5で朝の7時から17時までの勤務といった感じです。今東京のタクシー会社の良い会社で働こうと思うのであれば、ほとんどが「隔日勤務」です。就業初期はタクシー特有の「隔日勤務」に身体を慣らすことが大切です。

4.隔日勤務のメリットとデメリット


タクシーの「隔日勤務」にはメリットとデメリットがあります。

隔日勤務のメリット4つ

実際やっていて気付いたのですが、メリットは多いです。例えば「仕事とプライベートのメリハリができる」「プライベート時間が増える」「通勤回数が減る」「営業効率が高い」などが挙げられます。この中で「営業効率が高い」は、「回送」を使って毎日夕方に車庫まで帰る(お客さまを乗せられない無駄な時間が毎日ある)よりも、長い時間働いて二日に一回車庫に帰る方が営業の効率は良いです。(無駄な時間が少ないためです)

通勤回数が減ることもメリットのひとつで、通勤の時間は一銭の稼ぎにもならず暑い日は毎日の通勤をするだけでも大変です。通勤時間が削減されるだけで自分のプライベートの時間がこんなにも増えるのかと驚きました。プライベート時間がある上に、お金も安定して月50万円、60万円、70万円と収入があると生活はすごく明るくなります。(東京の生活費は高いけど、収入を上げないことには本当にこの先何もないと思っているよ)

隔日勤務のデメリット3つ

しかしデメリットもあります。具体的には「身体が慣れるまでキツイ」「明けの日に騙されていて公休の数は少ない」「一般の人と時間が合わない」などです。特筆すべきはタクシー業界の隔日勤務は、明けの日に騙されていて、公休が少ないです。面接や説明会では隔日勤務のシフトの説明にどうしても焦点がいってしまうため、年間休日やGW、お盆正月がないことを意識できないまま入ってくる人が多いです。

タクシー業界は他の公共交通機関と同じように年中無休で働く仕事です。慣れるまでは公休も少なく、身体や精神的にも厳しい…「思っていたものと違う」と早期に辞めていく人が少なくなればいいなと思っています。せっかくご縁があってタクシーの仕事を検討されるのであれば、求人の甘い文句やタクシーを知らないエージェントからの電話に騙されるのではなく、自分できちんと調べることが大切です。東京タクシードライバーの「隔日勤務」という働き方がみなさんの生活のプラスになってくれると嬉しいです。


本日は『隔日勤務に慣れるまで』というタイトルで、「隔日勤務」のリアルを記事にしてみました。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

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また次の記事でお会いしましょう。

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