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電柱のところ曲がってとの指示。どの電柱やねん?

「電柱のところ曲がって」とお客様から指示を賜った。
今回の話は「愚痴」(ぐち)になってしまい大変申し訳ないがご高覧賜りたい。

タクシーにご乗車頂くお客様より、道の案内を頂く場合、まだ新人で不慣れな私にとってはとてもありがたい。
しかし、どうも、普段クルマを運転したり運転免許を持っていそうなお客様と、自分で車を運転したことが無いようなお客様とでは、道の指示・目標物・指示タイミングに「差」があることに最近気が付いた。

今回のお客様は、80代と思われる女性での事例。
まず、最初に伺った町名付近へ出発地から一番短いルートでタクシーを走らせていたが「いつもは違う道から行っている」とおっしゃり、少し不満があるようだった。
ただ、自分としては、極力、タクシー料金が高くならないよう、その町名の交差点まで短い距離としてのコース取りをしている自信があるので、そこは気にせずに進めた。
お客様はどこを走っているのか?、理解できていないご様子だったが、やがて目的地近くにある店舗などが目に入ると「そうそう」と、ようやく道順に関しては納得して頂けたようだった。
そして、いよいよ目的地近くになり、大通りから脇道へ入り、住宅街をクネクネと走る際に、曲がる場所の指示をその都度頂いた。

住宅街に入り最初の曲がる場所の指示は「オレンジの鏡があるところを曲がって」と言う。
ただ、自分の視界には、そのオレンジの鏡(カーブミラー)が3箇所ほど目に入り、どのミラーの事を言っているか?わからない。
しかも、左に曲がるのか?、右に曲がるのか?も不明なので余計に難解だ。
そのため、スピードを徐行にし「どのミラーでしょうか?、一番手前を右ですかね?」と、確認しながら曲がった。
その一番手前のミラーは、もう5mまで接近していたが、その直前を曲がると言う回答だったので、指示のタイミングも遅く感じる。
この場合、模範的な指示方法としては「何個目のカーブミラーのところを、右に曲がって」と、できる限り早く指示して頂くと、よりお客様を安全にお送りできると言うものだろう。

次にご指示を頂いた箇所では「電柱のところを曲がって」と言われた。
しかし、自分の視界にはその電柱が道路の左右両脇に10本程度目に入っている。
どの電柱の事なのか?わからない。
そしてまた右に曲がるのか?、左に曲がるのか?も不明だ。
ただちに再び徐行して「どの電柱ですかね?」「たくさんあります」と尋ねると、それも僅か5mほどに接近している一番手前の電柱だった。
しかも、通常の電柱ではなく、NTTの細い電柱。(電柱には変わりないが)
そして、曲がった先は道路でなく、砂利の駐車場だったので、曲がると言われても気が付きにくい次第だ。
曲がるではなく、入ると言う言葉が適切だろう。
この場合「右にある一番手前の細い電柱がある駐車場に入ってください」が模範解答になるか?
そして、言うタイミングに関しては、お客様ご自身の安全も左右しかねないため、もう少し早い時期だとより安全と言う話になってくる。

曲がる方向に関しても「右に」と言われたが、実際には「左」に曲がるのが正解だったと言う勘違い指示も珍しくない。
タクシーが急に曲がったり、止まったりする由縁である。

この「不適切な指示」と「不適切なタイミング」に関しては、他のお客様でも同様の事が発生することがある。

とある日は、酔っぱらっている2人組で、曲がる場所の指示が遅かったため、やむを得ず急減速となり、指示した方とは別の同乗していたお客様(女性)が「気持ち悪くなった」と言うケースもある。
タクシーを降りたら、地面にうつ向いておられた。(服、汚れちゃうよ)

別のお客様(30代くらいの女性)の際には「〇〇町にある小さな消防署まで」と言うご指示。
小さな「消防署」と言われると「分署」だと思うのは私だけだろうか?
お客様からは結構、消防署を目印として指示される方はおられる。
しかし、自分の自宅から徒歩10分くらいと良く知っている町内なのだが、そこに分署あったっけかな? 無いよな?
と焦りながら走らせていくと、お客様が言う小さな消防署は、なんと「消防団」の建物だった。
消防団の建物は、小さな消防署と言うのが正しいのだろうか?
消防署や分署はともかく、調べてみると私の地元自治体には約100箇所も消防団があり、正直、新人の私には消防団の場所までとても把握しきれない。

他には夜中にご乗車頂いたご夫婦で、奥様より「そこの歯医者のところを左に」とご指示頂いたが、ご主人様が「暗いから歯医者ではわからないよ」と、フォローしてくださったケースもある。
確かに電気もついてなく、歯科医院がある場所に気が付けなかったかも知れない。
暗い中、一生懸命、目標物を探すとなると、要は「わき見」になるので、安全上の問題も生じやすいだろう。

そのため、今回事例としてご紹介したお客様に限ったことではないのだが、ご乗車頂いているお客様ご自身の安全にも関わる可能性があるため、少しでも早く、そして的確に内容を伝えて頂きたいと願うこの頃だ。
指示が苦手だったり、億劫な場合には、住所を伝えて頂ければカーナビに入力して正しくお送りする事もできるので「カーナビ入力してください」とぜひお申し出頂きたい。

なお、別のお客様 (80代と思われる女性) では「〇〇へ行ってほしい」とお店の名前を告げられた。
「どの辺にあるのですか?」と確認すると、どこにあるのかは知らないと言う。
うる覚えだったり、本当は知っているのに、私をからかっているのかも知れないが、とにかく「わからない」との事。
何しにそのお店に行くのか?、理解に苦しむがカーナビで店舗名を検索してみると、運よく該当と思われるお店が判明した。
そのため「〇〇町にある〇〇さんですかね?」と確認しても「わからない」と言う返事。
店舗の業種も聞くと恐らくそこだろとう言う可能性を信じて、走らせるしかなかった。
まぁ、店舗前に到着したら「そうここだ」と言う事で終わりは良かったのだが、違う場所に連れて行ってしまうと運転手の責任にもされかねないので、冷や汗ものである。
なお、運賃はPayPay支払いを希望されたが、タクシーのタッチパネル操作方法も「わからない」と言う事で、幹線道路にも関わらず私が運転席から降りて後席に座って操作することに・・。
勝手ながら「わからないお婆様」と名付けさせて頂いた。

今週のチップ額

初勤務の2週間目のチップは合計1800円。

最近は「福祉券」と言う、自治体が発行しているタクシー券の有効期限が近いせいか、その「お釣りをいらない」(お釣りがでないため)と言うケースが出始めた。
お釣り分は、タクシー運転手の収入にできるのでこれもありがたい。

ただ、今週は自腹切ったのが600円あるので、プラスマイナスは1200円。
この自腹は自分の家族を短距離乗せた分をきちんと負担したもの。

チップの累計は4400円(2週目)。

以上、簡単ではございますが、ご高覧賜りましてありがとうございました。

普通二種免許の自動車教習所・教習内容実録(1日目)【50代新人タクシー運転手・奮闘記ブログ】

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