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仕訳 part2

 皆さん、こんにちは。
 税理士ラベンダーです。

 前回、5月22日の記事では、仕訳と貸借対照表・損益計算書についてザックリとお話しました。

 しかし、これだけではなかなかよく分からないという人に、もう少し掘り下げて説明したいと思います。

 まず、復習になりますが、貸借対照表・損益計算書に記載する勘定科目のグループは次のようになります。
 借方は左側、貸方は右側の記載になります。
 減少する場合は、それぞれ逆に記載します。

1. 損益計算書
 売上及び雑収入(貸方)、費用(借方)、利益(借方)

2. 貸借対照表
 資産(借方)、 負債(貸方)、資本(貸方)

 そして、本日の記事はこれらグループ内の勘定科目をより細かく見ていきたいと思います。


Ⅰ.損益計算書

1.収益

 収益には、次の勘定科目が該当します。
 売上(事業収入) 及び 雑収入(事業収入以外)

 例えば、売上が1,000円あったときは、その金額を次のように仕訳します。
(借方) 現金預金 1,000円 (貸方)売上   1,000円
 雑収入も同じになります。
(借方) 現金預金 1,000円 (貸方)雑収入  1,000円

 収益の増加は、貸方です。

2.費用

 費用には、次の勘定科目が該当します。

 売上原価、租税公課、水道光熱費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、接待交際費、修繕費、消耗品費、減価償却費、給料賃金、専従者給与※、地代家賃、貸倒金、新聞図書費、研修費、リース料、雑費など

※専従者給与とは、青色申告者が一定の届け出をした場合の家族従業員に支払った給与です。白色申告者の場合には、専従者控除額と呼びます。

 これらは次のように仕訳します。
(借方) 売上原価 1,000円  (貸方)現金預金 1,000円
(借方) 水道光熱費 1,000円 (貸方)現金預金 1,000円

 費用の増加は、借方です。

Ⅱ.貸借対照表

1.資産

 資産には次が該当します。
(流動資産)現金預金、受取手形、売掛金、有価証券、前払金、事業主貸等
(固定資産)建物、建物付属設備、土地、車両運搬具、器具備品(注2)
      土地 等
(繰延資産)開業費、開発費など

(注1)上記()書きは分かりやすくするための種類別表記なので、実際の貸借対照表に記載する必要はありません。
(注2)器具備品は10万円以上を資産計上します。10万円以下は経費となります。

 これらは次のように仕訳します。
(借方) 現金預金 1,000円  (貸方)売上 1,000円
(借方) 建物   1,000円  (貸方)現金預金 1,000円 
 
 資産の増加は、借方になります。
 ここで注意したいのは、「資産の増加」と「収益の増加」がひとつの仕訳で把握できるということです。それぞれ借方と貸方で、資産と収益の増加を表しています。
   

2.負債

 負債には次が該当します。
買掛金、未払金、前受け金、預り金、貸倒引当金、借入金、事業主借 など

これらは次のように仕訳します。
(借方) 仕入   1,000円  (貸方)買掛金 1,000円
(借方) 現金預金 1,000円  (貸方)借入金 1,000円

 負債の増加は、貸方です。
 ここで注意したいのは、「費用の増加」と「負債の増加」がひとつの仕訳で把握できるということです。それぞれ借方と貸方で、費用と負債の増加を表しています。

3.資本

 事業を始めるにあたって必要な開業及び運転資金である「元入金」

 これらは次のように仕訳します。
(借方) 現金預金   1,000円  (貸方)元入金   1,000円

 

 いかがでしたか?
 
 複式簿記とは、上記例のように、資産・負債・費用・収益それぞれの資金の動きが、一つの仕訳で理解できるという点があります。
 また、複式簿記を利用することで「青色申告特別控除」という特典も利用できます。
 ですので、是非、理解して頂けたらと思います。
 今回は、以上となります。

 2024年6月から、投稿日を2日、22日の2日間とします。不定期に休む場合もありますので、ご了承いただければと思います。
 よろしくお願いいたします。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

(参考文献)
フリーランス&個人事業主のための確定申告  山本 宏  著
フリーランスのための青色申告        塚田 裕子 著

税理士ラベンダー
24.6.2

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