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単価引上げの利益シミュレーション(その2)

単価引上げの利益シミュレーション(その2)
売上単価を引き上げた場合、純利益はどう変化するのか?
前回は、当初の粗利率が30%の小売業を検討したので、今回は小売業でも専門性が高く粗利益率が50%のケースを検討する。

【設例②】仕入単価50,000円、売上単価100,000円、販売数量10個、この販売に要する固定費が300,000円の小売業を例にとって検討する。

① 現状
売上高  @100,000円×10個=1,000,000円
売上原価 @50,000円×10個=500,000円
粗利益  1,000,000円-500,000=500,000円
固定費  300,000円
純利益  500,000円-300,000円=200,000円  

② 売上数量を10%増やすとどうなるか?現実的には処理能力を超えると固定費も増加するが変動なしと仮定する。
売上高  @100,000円×11個=1,100,000円
売上原価 @50円×11,000個=550,000円
粗利益  1,100,000円-550,000=550,000円
固定費  300,000円
純利益  550,000円-300,000円=250,000円

売上高・粗利益は①に比べ10%増であるが、純利益は25%増となる。購買力や市場規模がある程度大きくないと、なかなか実現が困難かもしれない。広告・宣伝営業の活躍にかかっている。

③ 販売単価を10%引き上げるとどうなるか?
売上高  @110,000円×10個=1,100,000円
売上原価 @50,000円×10個=500,000円
粗利益  1,100,000円-500,000=600,000円
固定費  300,000円
純利益  600,000円-300,000円=300,000円

売上高は②と同額の1,100,000円になるが、純利益は。①の50%増の300,000円になる。
しかし、売上単価が引き上げられると、顧客が買わなくなるケースが生じ、販売数量が減少すると予想できる。

④ そこで、販売単価を10%引き上げ、販売数量が10%減少するとどうなるのか?
売上高  @110,000円×9個=990,000円
売上原価 @50,000円×9個=450,000円
粗利益  990,000円-450,000=540,000円
固定費  300,000円
純利益  540,000円-300,000円=240,000円

売上高は①に比べ10,000円減少しているが純利益は40,000円増加した。
販売数量を増やした②と比較して純利益はほぼ変わらず240,000円である。

⑤ 専門性の高い商品の場合、さらに販売数量が減少することは考えにくいが、販売単価を10%引き上げ、販売数量が20%減少するとどうなるのか?
売上高  @110,000円×8個=880,000円
売上原価 @50,000円×8個=400,000円
粗利益  880,000円-400,000=480,000円
固定費  300,000円
純利益  480,000円-300,000円180,000円

売上高は①に比べ120,000円減少し、純利益は20,000円減少した。


【結論】今回の設例では、売上単価を10%上げれば、販売数量が10%減少しても、純利益が20%増加することを示している。ただし、販売数量が20%減少すると粗利率も減少することになる。さらに粗利益率が高い場合はどうなるか、また次回検討を進めたいと思います。

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