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10%値上げで販売数が20%減少しても純利益が増加する事例  単価引上げの利益シミュレーション(その1)

単価引上げの利益シミュレーション(その1)
売上単価を引き上げた場合、純利益はどう変化するのか?

【設例①】仕入単価70円、売上単価100円、販売数量10,000個、この販売に要する固定費が300,000円の小売業を例にとって検討する。

① 現状
売上高  @100円×10,000個=1,000,000円
売上原価 @70円×10,000個=700,000円
粗利益  1,000,000円-700,000=300,000円
固定費  300,000円
純利益  300,000円-300,000円=0円 (収支トントン) 

② 売上数量を10%増やすとどうなるか?現実的には処理能力を超えると固定費も増加するが変動なしと仮定する。
売上高  @100円×11,000個=1,100,000円
売上原価 @70円×11,000個=770,000円
粗利益  1,100,000円-770,000=330,000円
固定費  300,000円
純利益  330,000円-300,000円=30,000円

需要が旺盛で、生産能力に余裕があるが供給が少ないなど条件が整わないと、なかなか実現が困難かもしれない。営業・販売の活躍にかかっている。

③ 販売単価を10%引き上げるとどうなるか?
売上高  @110円×10,000個=1,100,000円
売上原価 @70円×10,000個=700,000円
粗利益  1,100,000円-700,000=400,000円
固定費  300,000円
純利益  400,000円-300,000円=100,000円

売上高は②と同額の1,100,000円になるが、純利益は。②の3.3倍の100,000円になる。
事務的なコストはほぼ①と変わらないはずである。しかし、売上単価が引き上げられると、顧客が買わなくなるケースが生じ、販売数量が減少すると予想できる。

④ そこで、販売単価を10%引き上げ、販売数量が10%減少するとどうなるのか?
売上高  @110円×9,000個=990,000円
売上原価 @70円×9,000個=630,000円
粗利益  990,000円-630,000=360,000円
固定費  300,000円
純利益  360,000円-300,000円=60,000円

売上高は①に比べ10,000円減少しているが純利益は60,000円増加した。
販売数量を増やした②と比較しても純利益は2倍の30,000円である。

⑤ 扱う商品の特性や市場の状況によっては、さらに販売数量が減少することもあり得る。
そこで、販売単価を10%引き上げ、販売数量が20%減少するとどうなるのか?
売上高  @110円×8,000個=880,000円
売上原価 @70円×8,000個=560,000円
粗利益  880,000円-560,000=320,000円
固定費  300,000円
純利益  320,000円-300,000円=20,000円

売上高は①に比べ120,000円減少しているが純利益は20,000円増加した。
販売数量を増やした②と比較しても純利益は、67%の20,000円である。


【結論】今回の設例では、売上単価を10%上げれば、販売数量が20%減少しても、純利益が増加することを示している。ただし、もともとの粗利率が30%、固定費が当初売上高の30%という条件のもとでのシミュレーションである。粗利益率が異なると、どうなるか、また次回検討を進めたいと思います。


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