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保険について考えた日

保険の見直しをしに「ほけんの窓口」へ行ってきた。
なんとなく今必要ではない保険に入っている気がし、また掛け捨てで20年近くも支払っているという事実もさすがに目を逸らせなくなってきた。結婚した当時に夫の保険の見直しに行って以来足が遠ざかっていたが、何年かに一回来る「自分のお金と向き合うビッグウェーブデー」みたいなものがたまたま最近きたこともあり、思い切って相談窓口を予約したのだった。自分の資産と向き合うのは辛い、なぜなら資産がないからである。夫におんぶにだっこの私は個人の貯金も超少ない。全部使っているからである。働いているとはいえ最低賃金に近いし、今離婚されたら公園で寝ようにも公園まで行く資金もない。都会の公園なぞ敷居が高い。あきらめるしかない。

ちなみに最近ハマっている漫画「インベスターZ」では「日本は保険加入率9割」「保険のからくりを暴く」みたいなことが描かれていて読んだ時分は「マジかよ」となった。実はそれも保険を見直すきっかけのひとつである。私は漫画に人生左右されることが多い人間なのである。

「ほけんの窓口」に行く前に世の中の人はどれくらい保険に入っているのかが気になった。職場の同僚にそれとなく聞いてみると、やはりライフステージや立場によってさまざまだった。独身の女性は働けなくなった場合の保険や介護保険など、高額ではないだろうが一部掛け捨てでも何かしらに入っている印象。既婚の女性は子供がいる方は生命保険に入っていたり、子どもがいない方は「なにも入っていない」という方もいた。保険に加入してきた人間としては「入っていない」というのには驚きがあったのだが、冷静に考えると入っていなくても問題はないと、調べる中で思えてきた。

というのも、日本の保険制度が結構充実しているのである。健康保険加入の義務があるため、ほとんどの人は社保、または国保に入っている。この保険だけでも3割負担となるのは大きいし、先進医療ではない限り年収によってではあるが自己負担限度額があるのでそれ以上になると国が支払ってくれるというのも助かる。高額療養費ってやつである。とはいえこの段階ではインターネットで検索して知識であり、まだ自分が見えていない落とし穴的なものがあるに違いない。ただでさえ一方向しか見えない人間なのだ。そのことを果たしてうまく聞けるだろうか。そして私のもうひとつの心配は、保険には掛け捨てしかないのか、今後の生活で保険にかけるべきお金はどれくらいなのかということが気になっていたのだった。

心配性だと自分で思わなくもないが、何ごとも100%はないのである。決まっているのは、いつか家族は亡くなる。自分もそう、これだけである。時期も、どちらが先に逝くかも、わからない。わからないということにストレスを感じてしまうタイプの人間、たとえば旅行前から地図アプリを見続けて旅先でのシミュレーションを欠かさない系の人には窓口があるというのは大いに助かる。あとは変なプライドさえなくすことができれば人生はきっと少しはうまくいく気がする。私には変なプライドがある。教えてもらうと「言われた通りにするのはこの人の思うつぼなのではないか」という疑念である。とかく人にコントロールされることが苦手なあまり、自分から聞きに行ってしかも親切に教えてもらっているのにどこか疑う、という最悪な人間性が露呈するのである。この特性をあらかじめ自分で意識して臨むしかない。
かくして私は「ほけんの窓口」に保険の相談をしに行ったのであった。

結果、固定費は増えることになったが掛け捨てではなく「貯蓄型」の、今までより幅広い疾病に対応できる保険を選び、それに入ることに決めた。精神的にも落ち着くことができた。貯蓄型とはいえ変動制の投資運用なので、元本割れするリスクはある。結局、何に重きを置くかなのである。掛け捨てが悪などということでは決してなく、支払う額は安いし、たとえ10年支払い続けたところで家計を揺るがす大出費、とはまずなりにくい。そんな感じの値段だったので向き合うのに20年以上かかってしまったくらいだ。だが40歳をとうに過ぎ、そろそろ年齢的に老後に向けてお金をためなければならないと考えた時に、元本が割れてでも現金が手元に戻ってくるほうが良いと考えた。加えて3大疾病に罹患したときの一時金も出るならなおのことよい。遺伝的にどれかに当てはまる可能性が高いためだ。とてもシンプルな結果に終わったのだった。

ちょっとここまで書いてPRみたいになっていて気持ち悪いと思ったがほけんの窓口からはもちろん1円ももらっていない。てゆーかこの影響力なさすぎる人間にオファーなど来ない、当たり前である。書いてて恥ずかしくなってきたけど一応書く。別に親族に知り合いもいない。仕事なのだからプロ集団で当たり前だろう、とすら思っている。それにほけんの窓口とて保険会社ありきでやっているのだからその契約している保険会社の商品をおすすめされたとて仕方のない部分もあると、そこは理解して臨んだ。

結果、淡々と必要なことに答えてもらえたし、その日に即決せず「考えます」と言っても特に嫌な顔はされなかった。また、医療保険に入ったほうが良いかという質問に「今は入らない人も多い」と言ってくれたのもなんとなく信用できた。これこそ思うつぼなのかもしれないが、もともと不信感が強い人間には世間の動向をちらっと教えてくれるくらいの人は心強く感じた。何回も書いておこう、PRではない。そんなにうさんさいなら私に金をくれ、と言いたい。
取り急ぎお金をためて脱毛器が欲しいしリファのストレートアイロンも欲しい。物欲にまみれつつ今日も生きる。


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