命がけの接触
余命15歳を宣告された重度の心疾患を持つタケくんが、兵庫から京都まで、わざわざライブを観に来た。
空間が広く、比較的、安全な会場ではあったが、彼の通常とは比べ物にならない感染リスクを思うと、不安を拭いきれなかった。
でも終演後、楽屋で彼の目を見た瞬間、つよい意志で、命がけで会いに来たってことが解って、それに応えられるだけの言葉が何か自分のなかに無いかと探ったけれど、歌い終えたばかりで空っぽ、何も出てこなかった。
タクシーの到着が迫っていた。
最後、タケくんが何か言いたげに、もじもじしていたが、お母さんに促されて、俺の身体に触れた。
接触はまずくないか?と思ったが、僕もがまんできなくなり、なるべく安全な角度で彼の上着ごしに抱きしめた。
タケヒロ、愛してるぞ。
コロナ禍のなかでいちばん体温の暖かさを感じた瞬間だったかもしれない。
君の命の輝きと熱は、おひさまにも負けない大きさで、
空っぽの俺を照らしていったよ。
また明日からたくさん歌えそうだ。
一年以上生声を聴いてなかったんだな。今日、ライブに行くのに勇気が必要だったでしょ?と色んな人に言っていただきますが僕はコロナ以前から明日は死ぬかも知れない覚悟で、行きたい場所会いたい人に会う行動をしています。旅人さんはその覚悟の意味をわかってくれる人なので安心して会いに行けました https://t.co/yxaX0JLCdE pic.twitter.com/9p3tiaUG1I
— 📭TKタケヒロ/YUU(TKマガジンついに発刊!ありがとうございます! (@Takeru_FTX) December 20, 2020
noteでの記事は、単なる仕事の範疇を超えた出来事について、非力なりに精一杯書いています。サポートは、問題を深め、新たな創作につなげるため使用させて頂きます。深謝。