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初めての海外ひとり旅6

観光を終えて、例のお土産屋さんに戻った。おばちゃんに旦那に迎えにきてもらうからお土産でも見ててと言われた。

よくあるお土産屋さんではなく、がっつりモン族の伝統工芸のため特に欲しいものもなくただ軒先の椅子に座ってぼーっとして待っていた。

そこに旦那さんがバイクで登場。おばちゃんにこの人英語喋れないからと言われ、バイクに乗せられた。

家に着くと、軒先で靴を脱ぐように言われた。玄関らしきものはなく庭と家の境目のとこ。えっ?外ですよね?靴箱は?屋根すらないけど?と思ったけど他の人の靴も沢山あったので従った。

ゲストハウスなのか、自宅なのかイマイチ分からないままお邪魔したがどうやら自宅の2階をゲストハウスとして使っているみたい。

2階の個室に誘導され荷物を置いた。部屋にあるのは扇風機と畳んである布団だけだった。

水シャワーしか出ないし、夜は寒いから早くシャワー浴びたら?と勧められた。髪を水で濡らしたら、茶色い水が流れてきた。えっ?とビビったが砂埃舞う中でバイク乗っていることが多かったので髪がかなり汚れていただけだった。

スリーパゴダパスで買ったシャンプーとリンスを早速使ってみたがどうやら両方ともシャンプーだったみたい。適当に物を買ってしまう自分がちょっと嫌になった。

シャワーを浴びると旦那さんが、ご飯はどうする?せっかくだからうちの家族と食べようよと言ってきた。こんな機会ないなと思って快諾した。

一旦自分の部屋に戻り置いてある扇風機で髪の毛乾かしながら、窓の外を見ていた。何も無い。ほぼ緑。遠くに寺らしき建物見えるけど。

時間になったので1階に降りると、おばちゃんと旦那さんと娘2人と1歳くらいの孫がいた。ガチで家族の晩御飯だった。

おばちゃんは一緒に食べるの?と驚いていたが、旦那さんはなぜか私のことを気に入って下さってたのでいいじゃん!いいじゃん!的なノリで私を座らせた。

普段からそうしてるのかと思ったら違うらしい。女の子ひとりでこんな田舎まで来たから、心配でご飯に誘ってくれたみたい。私以外の客は全く誘われていなかった。

タイの家庭料理をみんなでシェアしながら食べた。みんなほんとに優しくて、美味しく頂いた。

旦那さんがおしゃべりでおばちゃんに通訳してもらいながら沢山話してくれた。

息子と嫁が近くのホテルでまだ働いていること。息子は韓国に出稼ぎに行って嫁と出会い、孫が生まれたこと。韓国人とのハーフだから孫の肌は白くきれいなこと。私の肌も綺麗だと褒めてくれた。

お姉ちゃんが高校生で毎日バイクでカンチャナブリーの学校に通っていること。妹はお金がないから学校に行かせてないで家の家事をさせていること。

田舎とはいえきれいなお家に住み、おばちゃんは英語を喋れるし、観光客相手に仕事をしているはずなのにお金ないの?と不思議に思った。

なんで妹は学校行かせないの?と聞いたら、この子は頭良くないから行かなくてもいいのとあっけらかんと答えられた。小学校高学年くらいの年齢の妹は文字も読めないらしい。

学校行きたくない?と聞いたら、シャイな妹は隠れてしまいそれ以上聞けなかった。おばちゃんからはあの子英語分からないし、お客さんとコミュニケーション取れないから聞いても無理よと言われた。

彼らにとっては優秀な姉は学校に行かせる価値があって、そうじゃない妹は家のことをさせておけばいいらしい。

初めて女ひとりで旅をしている私の心配をしてくれ、晩御飯まで食べさせてくれる優しい人達なのにね。教育を受けさせないことを悪いことと全く思ってない。ここではそれが当たり前なのかな。

モヤモヤしつつ、教育論を語るほどの英語力を持ち合わせてない私は部屋に戻った。

窓から爆音のタイのカラオケが聞こえてきた。お寺の方からだ。日本でいう演歌みたいな歌を延々歌っている。

結局明け方まで爆音カラオケは続いた。寝れないじゃないか。





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