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父のこと/命のこと

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2021年、コロナ禍に脳梗塞で逝った父のこと。いくつもの重い決断を迫られた、私たち家族のこと。その後の、日々の暮らしのこと。/父に限らず、命のことをテーマにした内容です
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#離婚

あの結婚生活に「意味がある」としたならば

13年間の結婚生活。あれにはなんの意味があったのだろうかと、折に触れて考える。 ああそうか。 あのコロナ禍で、父を看取り、弔う。 そして母を支えること。 そのための準備期間だったのか。 夜中に病院へ駆けつけることも。 徹夜明けでオヅメガダ(※)に突入することも。 泣き崩れる家族の肩を抱くことも。 私は、初めてではないのだ。 13年間の結婚生活。 あれにはなんの意味があったのか。 そう。あれはきっと、次に来る運命の準備期間だったのだ。 ※オヅメガダ……亡くなってから

親の葬儀で後悔しないために決めておいたこと

2017年、祖母が他界したときにわかったことがある。残された者は、必ず後悔するということ。身近にいた者は特に。 正直私は祖母について、裁縫の腕は尊敬していたが、性格については「陰」の気質が強かったため、あまり好きではなかった(私と似た性格とも言える)。 それでも介護度がつき始めた頃から、母と二人で祖母のトイレの介助をしたし、要介護になってからはシモの世話もした。 とっても大好きな祖母で、だけど何もすることができずに逝ってしまった――というのなら、きっと後悔は大きいだろう。

はたしてあの結婚生活は「ただの無駄な時間」だったか

時々思う。あの13年間の結婚生活は、私にとってただただ無駄な時間をすごしただけだったのだろうかと。何も得ずに終わったのかと。 否。何も得なかったわけではなかった。 そのことを、母が教えてくれた。 母に言われてわかったのだが、知らず知らずのうちに私は、葬儀や法事関連の作法をインストールしていたらしい。 実家で暮らし始めて、まもなく父を失い、コロナ禍で姉や親戚が来られない状況だったあの頃、それは効力を発揮していたのだろう。葬儀から数日後、私は母から感謝の言葉をかけられた。

8ヶ月前の「虫の知らせ」

「虫の知らせ」というものを、私は信じることにしている。それはラジオの周波数のようなもので、身内は周波数が似ているからキャッチしやすいのだ、という話を聞いたことがあるから。 それに、宇宙も含めこの世界というのは、あらゆる空間に素粒子が詰まっているらしい。だとしたらどこかで誰かに何か変化があったとき、素粒子が揺らぎ、波動のようなものを感じてもおかしくはないと思うから。 6年前、私と夫との関係に、大きな亀裂が入った。それから4年間、夫婦生活を続けてみたが――もう無理だ、私の心身