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父のこと/命のこと

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2021年、コロナ禍に脳梗塞で逝った父のこと。いくつもの重い決断を迫られた、私たち家族のこと。その後の、日々の暮らしのこと。/父に限らず、命のことをテーマにした内容です
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#心の変化

迷っていた私への御神託

30年以上の付き合いになる同郷の親友が、私の生態を見て、「書呼吸」という言葉をつくったことがある。もう何年も前のことだ。 「それって『呼吸するように書く』ってこと?」 「違うよ。和珪ちゃんの場合はね――」   * この冬、なんの迷いもなくやっていた「書く」ということにつまずいていた私。あれほど好きで、書くことで救われてきたことだってあったのに。書かなくてもいいのでは? などと書くこと自体に疑問を抱くまで落ちるありさまで。今までの人生でそれはなかった現象だった。 春にな

「一日中書いて暮らしたい」はどうやら卒業

前は「一日中書いていたい」と思っていた。「創作だけに没頭して暮らせたらどれだけ幸せだろうか」と。今は――実家で両親と暮らすようになってからだろうか、ちょっと変わった。 家族が真ん中。 家族とすごすこと、家族の一員として家の仕事をすることの方が大切になった。 じゃあ書くことはどうでも良くなったのか? そうではない。「書くことと暮すことは、同列ではない」と思うようになった。書くことは、暮らすことの上に移動した。――上位だということではなくて。例えるなら、小学生のときに書いた