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父のこと/命のこと

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2021年、コロナ禍に脳梗塞で逝った父のこと。いくつもの重い決断を迫られた、私たち家族のこと。その後の、日々の暮らしのこと。/父に限らず、命のことをテーマにした内容です
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#コロナ禍

10月吉日

コロナ新規感染者数ゼロが続いている。私も母も、姉夫婦も、ワクチン接種を終えて免疫獲得しているはず。リバウンドを待つ必要も、年末大移動をわざわざ待つこともない。 ――今しかない。 ようやく、姉が、父と会えた。 危篤にも、葬儀にも駆けつけることができなかった姉が、ようやく父と会うことができた。 長いこと気を張っていた私と母も、ようやく深い安堵に包まれた。 姉たちが帰路に着いたとき、見事な夕日が西の空で私たちを照らしていた。 父が喜んでいるんだな――と、私には思えた。

父の最期に関わる選択と、コロナ禍での葬儀に他県の姉を呼ぶか否かの問題について、誰の気持ちで答えを出したか

今回もまた、前回と同じ理由で有料とさせていただきました。とても個人的なことで、表へ出しっぱなしにすると傷口がヒリヒリと痛みそうなこと。私たち家族にとって、とてもつらく、大切な出来事となったことです。 今回の内容は、父の最期に関わる選択――延命治療についてを問われたときのこと。それから、コロナ患者数が急増中の大都市圏に住む、姉や叔父叔母たちをどうすべきかという問題について。父の危篤時、そして葬儀に、姉たちを呼ぶべきか否か。 何が正解かわからない問題の答えを、私たち家族は、時

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早く、コロナ禍を、終わらそう

入院した家族に会えない。コロナ禍だから。 だけどコロナではないから、危篤のときは家族のみ会えるという。 つまり次に会えるのは、退院時か、危篤時ということ。他県の者は、たとえ近親者でも、コロナ陰性でも、そもそも病院に入ることすらできない。 これがコロナ禍か、と愕然とする。 着替えなどは看護師さんに渡す。考えようによっては、家族が24時間つきっきりでいるよりは楽だとも言える。家の仕事にも手をつけることができる。――実際はパニック状態で挙動がおかしなことになっているが。 それ