震災から11年目の世界に思うこと
東日本大震災から11年。
昨年他界した父も、あの日、津波に巻き込まれた者のひとりだった。
幸いにも命までは持っていかれず、ケガはしたものの、翌朝無事戻ってくることができた。あのとき父を一晩泊め、家まで送ってくれた方々には、感謝しかない。
*
岩手県南の内陸に住んでいる父はあの日、外出していた。口数少なく、コミュニケーションを面倒くさがる父だったから、母が「どこさ行くの?」と聞いても、ろくに答えずに出かけてしまった。
私は当時まだ嫁をしていたので、実家にはいない。祖