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牡牛座として生きてゆく

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牡牛座として生きていくと決めた私の、有事の選択や、これからのライフスタイル。五感に長けた牡牛座としての生態や、お気に入りの物をしつこく愛でる習性についてなど。
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#日記

牡牛座として生きてゆく

選択肢の中から、どれかひとつを選ばなければならないとき。理屈的に正しそうなものと、なんとなく気になるもの。どちらを選ぶべきか、いつも迷って動けなくなる。 何年か前、たまたま手に取った鏡リュウジさんの著書『牡牛座の君へ』の中に、その答えはあった。他にも人生で迷いがちないくつかのことに、指針と染みるような心地良い言葉が添えられている。 この本と出会ってから私は牡牛座として生きてゆこうと決め、『牡牛座の君へ』は聖典となった。   * ブッダ、アドラー、ポジティブ、感謝、日頃

肌暦 Hadakoyomi

5月末くらいから、私の肌質が変化した。 毎年のことである。 朝起きたとき、二の腕の内側や、下着の締め付け部分などに、蚊に刺されたようなボコボコがいくつか現れていた。かゆいし、掻くと荒れるし、見た目もよろしくない。 最初の頃は、本当に蚊に刺されたのだと思っていた。だけどそうじゃないことは、すぐにわかる。2時間くらい経つと、ボコボコが消えてなくなるから。 朝だけでなく、夜中にも症状は出る。 お布団の中がホカホカしてあったかいなぁ、というときに出がち。 愛犬とのお散歩から戻

読書をしたくてブルーレイが壊れる

私の部屋にあるブルーレイが壊れた。 ディスクじゃなくて、本体の方。 そういえば夏の間、時々激しくうなっていた。 私は録画したお気に入りの番組を、何度も繰り返し見るタイプである。だけど―― 見たい番組録画できなくなる! 急いで買い替えなきゃ! ――という考えは、意外にも一瞬で終わった。 「……しばらくこのままでもいっか」 と様子を見ることにした。 ブルーレイではなく、私の様子を。 すごく久しぶりに「読書に没頭したい」と思い立ち、ちょうど小説を読み始めていたときだった。

「風の時代」の牡牛座の反乱〜スマホ編〜

数ヶ月前、長年使っていたiPhoneがついに壊れた。このことを通して、私は自分が「ド牡牛座」だということを、久々に自覚した。 まず、同じiPhoneを5年間も使い続けていたこと。しかもiPhoneの使い勝手にどうしてもなじめなくて、早々に「次は絶対Androidにする!」と豪語していたにも関わらず、結局バッテリーが壊れるまで使い続けていた。 「今の生活が変化するくらいなら多少嫌でも我慢する」「同じ物を長く持つ」という牡牛座の気質って、恐らくこういうことを言うのだろう。

「風の時代」の牡牛座の反乱

高校時代の、ある夏のお昼どき。同級生の女の子3人が、お弁当にそうめんを持ってきてすすっていた。 それぞれがそうめん弁当を持ってきたということではない。麺担当、麺つゆ担当、薬味担当、と役割分担をして持ってきたのだ。誰が言い出したか知らないが、おもしろい発想である。 以前放送された『サラメシ』でも、似たような光景があった。どこかの市場のお昼ごはん。お肉屋さんとお向かいの青果店が、毎日肉と野菜を持ち寄ってまかないを作り、一緒に食べていた。 なんか、いいなあ、と思った。   

相変わらず花王のバスマジックリン•グリーンハーブが好きすぎる

その後も花王バスマジックリンのグリーンハーブが好きすぎて、毎日お風呂掃除と入浴時間が近づいてくると、あの匂いを思い出して顔がにやける。 そうやって楽しめるところは「感覚の牡牛座」で良かったと思う。逆に不快な臭いと接触したときは、その嗅覚の感度の良さが仇になるが。 以前はスプレーの本体ごと買いかえるのが一番匂いの鮮度が良いと語ったが、さすがにそうしょっちゅう買いかえるのは金銭的にも環境的にも心苦しい。 そこで詰め替えタイプでも匂いをうまく拡散できないものかと、あれこれ実験

花王バスマジックリンのグリーンハーブが好きすぎる

私の特性で、これぞ牡牛座、ド牡牛座と誇れることは、やはり「感覚の牡牛座」と呼ばれる部分だと思う。特に嗅覚。 そんな私が近頃ハマっている、たまらん匂いがある。花王の泡立ちスプレータイプのお風呂の洗剤。バスマジックリンのグリーンハーブである。 お風呂の洗剤を選ぶときは、いつも色で選んでいる。湯に浸かってフーっとリラックスしたとき、視界に入るものは好きな色がいい。バスマジックリン・グリーンハーブを買ったのも、店の棚に並んだ商品の中で一番好きな色がそれだったから。 使い始めてし

続・サンソンの日記とフランス革命な日々

なんだかんだあって、現在『サンソン家回顧録』と『イノサン』を並行して読むという、贅沢な読書を楽しんでいる。 『サンソン家回顧録』でダミアンを知った翌日に『イノサン』でダミアンが登場して、タイムリーを楽しむと同時に、これはどこまで忠実に描くのだろうかと一人で動揺していた。史実的情報を入れずにマンガから読み始めたら、また違う衝撃の受け方をしたのかもしれないが、こういうことも含めて、「贅沢な読書」なのである。 どちらを先に読んでもいいが、学生時代にこういう読書体験をしていたらフ

サンソンの日記とフランス革命な日々

私はお気に入りの番組を何回も何回も何回も見る。そのほとんどは、歴史や書物、書くことに関連した番組。古くはビデオのVHSのテープが擦り切れるまで、今ではDVDやBlu-rayのディスクの再生現度回数を超えるまで見る。これも恐らく、しいたけ.さんの言う、牡牛座さんの「ペロペロ」なのだろう。 数ヶ月前、たまたま『コテンラジオ』なるものを見つけ、家仕事をしながらスマホで何回も何回も何回も聞くようになった。ただの歴史ラジオかと思ったが、全然違った。すんごく、おもしろい。笑えるし、深い

2022年用の手帳選びは難儀する

以前、「しいたけ占い」のしいたけ.さんが、お気に入りのものをこよなく愛する牡牛座さんの生態を、犬が骨を土に埋めて時々掘り起こしてペロペロするようなこと云々と表現していたことがある。「ペロペロ」は姉と親友に大ウケで、以来私の愛用品は、「ヨダレまみれ」と呼ばれる。私も異議はない。 そんな私の「ヨダレまみれ」のひとつに、ついに恐れていたことが起きてしまった。来年の手帳のラインナップに、好きな色がない。 これは一大事である。どうしたらいい。このままでは窒息してしまう。 私の愛用

「所有の牡牛座」の私がガツンと物を減らして人生変えた本

「所有の牡牛座」とも言われる牡牛座の、この私が、ガツンと物を減らすきっかけとなった本がある。佐々木典士氏の『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』がそれだ。 ――やられた。心の深いところをえぐられ、所有欲どころか虚栄心やら執着といったものまで根こそぎ削ぎ落とされた。今までにも片付けの本は読んだことがあるし、それなりに実践もしてきたが、この本は私の核の部分まで揺さぶってきた。 これによって、今までなかなか手放せなかった物たちへの執着がごっそりと取れる。絶対に手放せなかった本でさ

父の采配~難病手帳編~

毎年6月、7月は、難病の医療費受給者証の更新時期である。事前に保健所からお知らせが来るので、それに従って書類を準備する。病院に個人調査票を依頼したり、役所で課税証明書を取ってきたり。 どちらもタダではないが、受給者証は私にとって大事な通行手形のようなもの。毎月の通院で病院と薬局に見せるほか、救急搬送されるときに、隊員さんへ病名を伝えるためにも使っている。 ところが数年前から私は軽症に分類され、基本的には受給者証を持つ資格がなくなってしまった。――と言うと私の母は「良かった

牡牛座の居場所

ここは私の居場所ではないかもしれない、と初めて感じたのは、19歳になったばかりの春だった。私は仙台の専門学校生になりたてで、都会の学生生活を楽しんでいた。 学校は駅近くのビルのような建物。授業中――たしか9階の教室だったろうか。ふと窓に目をやると、そこから見えるのは駅周辺に乱立するビルの群れだった。 それまですごした岩手の小、中、高の校舎の窓から見える景色は、広い空、校庭の桜の木、どこまでも続く緑の山々、その合間からぽつんぽつんと見える民家。 ――だけどここの風景は、風

ハカハカしたときは誰かと心をとけ合わせる

月に一度の通院日。今回は検査もあり、採尿用のカップを持って女子トイレへ。狭い通路と、二つの個室。手前はロックされていて、モソモソと使用中の気配。 私は奥の個室へ入り、さっさと尿を採った。十年以上もやっているから慣れたものである。お隣さんはまだモソモソやっているようだから、衣服を整え、先に個室から出た。 その直後。お隣さんのドアも開き、中からゆっくりと、――じいさんが出てきた。 びっ   くりした。 じいさんである。じいさん。 男。女子トイレに男。 もさぁ、もさぁ、と