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【小説】太陽のヴェーダ

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どう見ても異常があるのに「異常なし」しか言わない医者たちに失望した美咲。悪化した美咲に手を差し伸べたのは、こうさか医院の若き院長、高坂雪洋。雪洋の提案は、一緒に暮らすことだった。…
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#特定疾患

【小説】太陽のヴェーダ 先生が私に教えてくれたこと(24)

(第1話/あらすじ)   ●自立準備 冬の厳しい寒さを何とかすり抜け、春の盛りが過ぎ、今は五月の陽気が続いている。 朝の散歩、最近は毎日している。 膝の痛みが嘘のようになくなったから。 痛むこともあるが、時々だ。 今日も痛くない―― それだけで、何よりもありがたい。 美咲は雪洋のもとで穏やかな日々を過ごしつつも、着々と自立への準備を進めていた。 明るく前向きになった美咲の様子が嬉しかったのだろう。雪洋も美咲にいろんなことを教えてくれた。 体質に合った食べ物の選び

【小説】太陽のヴェーダ 先生が私に教えてくれたこと(9)

(第1話/あらすじ) 「すっきりしたでしょう? 今まで言いたかったこと、粗方言えたんじゃないですか?」 横になった美咲は、ベッドに腰掛けている雪洋から顔を隠すように夏掛けを口元まで引き上げた。さっきまでの自分の乱心を思い出すと恥ずかしくていたたまれない。 「本当は止めたくなかったんですけどね。叫び足りないなら明日また聞いてあげますよ」 「いいですもう……。自己嫌悪で立ち直れません」 すっかり毒気の抜けた美咲を見て取り、雪洋は話し始めた。 「美咲はね、いわゆる人生の岐

【小説】太陽のヴェーダ 先生が私に教えてくれたこと(8)

(第1話/あらすじ) 深夜、美咲の部屋のドアを軽くノックする音。 部屋に滑り込み、足音もなく颯爽とベッドのそばに近付く気配。 夏掛けがそっとはぎ取られる。 「やっぱり」 白衣を着た雪洋がため息をつく。 美咲は涙まみれで泣きじゃくっていた。 すみません―― 声も出ない。 目の前で揺れる、羽織っただけの白衣の裾に美咲は手を伸ばした。 「どうしてあなたは……白衣だと素直なのに……」 しがみついている美咲を見て、雪洋はまたため息をついた。ベッドに腰掛け、美咲の頭に優しく

【小説】太陽のヴェーダ 先生が私に教えてくれたこと(7)

(第1話/あらすじ) 「血管炎……?」 「正確には、『顕微鏡的多発血管炎』と言います」 雪洋から告げられた病名はまったく聞いたことのないものだった。「何ですかそれ」と尋ねると、雪洋はわずかな間を置いて答えた。 「特定疾患です」 え? と声が出た後は沈黙が流れた。 我が耳を疑う。 雪洋は美咲の思考が追いつくまで見守っている。 「特定疾患……って、あの、お国が定めた、あの特定疾患ですか?」 「はい。その特定疾患です」 ということは、それは、つまり…… 「難病ってこと…