【小説】太陽のヴェーダ 先生が私に教えてくれたこと(30)
(第1話/あらすじ)
高坂総合病院、皮膚科診察室。
「さて、問診をしようか」
瀬名がメガネを指で押し上げた。
レンズ越しに美咲を眺める様は、間違いなく楽しんでいる。
「あの付き添いの男性は?」
「……職場の方です」
「一昨日、昼に喫茶店で一緒だった人?」
「……そうですけど」
「プライベートの付き合いは?」
「瀬名先生、それって問診ですか?」
「大事な問診だけど?」
はあ、そうですか、とあきらめる。
「……付き合ってほしいと言われました」
「いつ?」
「……さっき」