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生きる力

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戻ってきた実家での田舎暮らし。里山の風景。染みるご近所付き合い。親類のありがたみ。母から学ぶ農作業。できなくてもいい。知っておきたい。
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2021年9月の記事一覧

ご近所さんの稲刈り

愛犬との散歩で田畑を歩いていると、「秋の匂い」を感じた。幼い頃に嗅いだ、懐かしいこの匂い。「秋の匂い」の正体は、ハセ掛けされた稲の匂いだった。 これはうちの上のご近所さんの田んぼ。台風が来る前に、と思ったのだろう。連日田んぼ周りの草刈りと草焼きをこなし、この前の週末に、一家総出で稲刈りとハセ掛けをしていた。 辞書には「稲架(ハサ)」とあったが、岩手の私の地元では「ハセ」と言う。隣町ではハセではなく、棒を一本地面に突き立てるタイプの「ホンニョ」が主流のようで、漢字では「穂仁

ご近所さんは草焼き職人

朝の散歩、愛犬と畑を歩く。照りつける太陽に愛犬がすぐさまUターンしていた夏はすぎ、今はもっともっとと、走りたがる。空は高く、風が涼しい。稲穂はいつのまにか黄金色に変わり、愛犬と私を繋ぐリードにトンボがとまる。 今日は草焼きをしようかな。強すぎない風、夜からは雨、この前刈った草はすっかり乾いている。うん、草焼きしよう。――最近はそんなことを考えながら散歩している。 夏に草刈り機デビューしてから毎日のように腕を磨き、母にも上手だと褒められるようになった。 「今日は私、何しよう