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書呼吸

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小説。エッセイ。日記。文章。言葉。書いたり、書くのをやめたり、書くことの意味が変わったりしたことについて――等々。書呼吸(かこきゅう)とは、「呼吸するように書く」のではなく、「書…
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2021年4月の記事一覧

「一日中書いて暮らしたい」はどうやら卒業

前は「一日中書いていたい」と思っていた。「創作だけに没頭して暮らせたらどれだけ幸せだろうか」と。今は――実家で両親と暮らすようになってからだろうか、ちょっと変わった。 家族が真ん中。 家族とすごすこと、家族の一員として家の仕事をすることの方が大切になった。 じゃあ書くことはどうでも良くなったのか? そうではない。「書くことと暮すことは、同列ではない」と思うようになった。書くことは、暮らすことの上に移動した。――上位だということではなくて。例えるなら、小学生のときに書いた

「西野さんはみんなでワイワイ行く。あなたは森の中を一人で行く」

数ヶ月の間、西野亮廣エンタメ研究所に入っていたことがある。言わずと知れた、国内最大のオンラインサロンである。私の中で西野さんと言えば、昔『はねるのトびら』に出ていて、その後絵本作家になってすばらしく緻密な絵を描いている、ということまでは知っていた(日本中から叩かれていたことは知らなかった)。 私はいつも姉から新しい世界を教えられるのだが、西野さんのずば抜けたビジネスセンスについてを私に教えたのもまた姉だった。そこからまんまとハマり、西野さんの著書を読み、Voicyを聴きまく

「運勢最高列車」が来てるのに、切符を手にすることができなかった冬

石井ゆかりさんの『3年の星占い』が好きで、2021-2023版と、『星栞 2021年の星占い』を購入してじっくり読んでみたのだが、今回の牡牛座さんの持ち上げようがまあすごい。どんだけ輝く年なんだと、戦々恐々、恐悦至極である。 すごく良い運勢だと言われると、私のイメージとしては、その時期に「運勢最高列車」がホームに現れる感じ。しっかり支度をして――つまり努力をした上で「運勢最高列車」に飛び乗らなければならない。せっかく「運勢最高列車」が現れても、なんの支度もせず切符を手にしな

磨けば光る和の玉だとか

私のこの高橋和珪(たかはしわけい)という名は、本名ではなく筆名なんだけども。名付け親は、子供の頃からご縁のある和尚さんで。寺報に何度か原稿を載せていただいているうちに欲が出て、お忙しい和尚さんなのに、筆名をつけてほしいとおねだりしてしまった。 後日、たまたま和尚さんからの電話を受けたときに、 「ちなみにどんな言葉、文字が好きですか」 と聞かれ、突然のことで慌ててしまったけど、 「和尚さんの『和』という字が好きです」 と答えた。 数日後、母経由で「和珪」という筆名をいただい

例えばnoteもシーズン制で書くとか

アニメはいつから「シーズン」と言うようになったのだろうか。私が子供の頃には聞いたことがない。『ドラゴンボール』も『ドラゴンボールZ』も、ほとんど途切れることなく放送していたはず。その代わり時々、本編と関係ない話が入る。姉が言うには、あれは原作マンガにアニメが追いついてしまったから、繋ぎで作った話なんだとか。 その状態で大人になり、久々に見たアニメが『進撃の巨人』。しかしどうだ。思いっきり序盤で最終回を迎えたじゃないか。こんな中途半端なとこで終わっていいわけないだろう! とコ

「色に関わる仕事に向いている」と言われるが

五感に優れ、「感覚の牡牛座」とも呼ばれる牡牛座。占星術にしろ、それ以外にしろ、生年月日で見てもらうと私の場合は「色に関わる仕事に向いている」と言われがち。でも私が色について真剣に考えるようになったのは、実は二十歳を超えてからのこと。 姉の結婚披露宴が近づいたある日。振袖をレンタルするため、私は式場の衣裳部屋にいた。用意された四枚をこれから試着し、一枚を選ばなければならない。 色はそれぞれ、赤、青、緑、それと金というか黄緑というか……のグラデーションというかなんというか……