構図の話②
初めての場所で撮影するときは、かなり早めに現地入りするようにしている。カメラを持たずにぷらぷら歩いて、その場の雰囲気を感じたり、特徴的なものを探したいからだ。そして、写真を通して何を伝えたいのか自分なりに考え、構図を決める。
3年前、この構図が自分なりにベスト!と思ったのだが、後から来た皆さんは下の方で撮影している。さらに、日が沈んだら皆さん帰ってしまった。
なんでこっちで撮らないの?
これからがいい時間なのに、なんで帰っちゃうの?
と不思議でした。
後日、鉄道をメインで撮影している方と話したら、謎が解決した。
下で撮っている人は電車を美しく撮ることが目的。そして帰ったのは目的の車両がその時間だけ走るから。ということだった。
なるほどねー!と納得した。
前回のSLの話と同じく、目的が違うんだなと。私は風景の一部として電車を撮り、他の方は特定の電車を美しく撮ることを目的にしている。
その後、皆さんが撮っている下の場所で私も撮影してみた。確かに車両が美しく写り、ここで撮影することの理由を理解した。
私は電車の事をよく知らない。車両の違いやどの角度から撮ると良いのかなど知識がない。知識がないからこそ撮れた写真ということになる。
やはり他の人にとっては私の写真は失敗ということになるのだろう。
ただ、翌年も同じ場所で撮影していたら少し人が増えた。
さらに今年、もっと人が増えていた。
SNSでも同じ構図を見るようになった。
この構図に共感してくれる人が居たんだなと。3年越しでようやくこの構図は失敗ではなかったんだなと思えるようになった。
違う価値観、異なる観点、それらを受け入れたときに新しい構図や撮影方法が生まれるのかもしれない。
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