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精米歩合ってなんだ?~なぜお米を磨くのか?~

日本酒を語る上で必ず出てくる言葉が精米歩合。

山田錦玄米(精米歩合100%)

多くのラベルにも記載のある言葉です。これは。玄米を100%とし、どれだけ残したか。という事です。3割5分磨くと精米歩合65%となります。6割5分磨くと精米歩合35%となります。

山田錦(精米歩合50%)

その精米歩合によって、お酒の名称が変わってきます。
60%まで磨くと吟醸と名乗れます。50%まで磨くと大吟醸と名乗れます。
このように日本酒業界は精米歩合を基準に成り立ってきました。

しかし、行きつく先が見えてきました。

精米歩合戦争の勃発


近年、精米歩合がどんどん下がって30%、25%、10%と言うものも出てきました。
多く磨けばコストが上がるので値段は高くなりますが、多く磨けば美味しくなるのか?と言う疑問を米の観点からお話いたします。

なぜ磨くのか?


まず、心白がない食用のお米は、心白が無いのでどこまでも磨けます。
しかし、精米歩合70%を超える(精米歩合50%や35%と言った高精米歩合)と、タンパク質や脂質の量は一定となり、磨く意味が無いように思えます。つまり、磨いても酒質にあまり影響しないという事です。(※麹を造る際、麹の力が弱くなる分スッキリとした味わいにはなりやすい)
だから、昔の純米酒や本醸造のカテゴリーは精米歩合70%と言われておりました。

次は、酒造好適米について、大吟醸は50%以上磨くと大吟醸と名乗れます。
この精米歩合50%は何から来ているのか?また精米歩合35%とは何だったのか?について。

精米歩合50%は、心白が比較的大きいお米「五百万石」などの酒造好適米の心白の大きさです。50%以上磨いても、タンパク質や脂質の量が一定となりそれ以上磨いても、あまり味わいに変化がおきません。

では、精米歩合35%については、「山田錦」における心白の大きさが大体35%程です。
それ以上磨いても、タンパク質、脂質が一定となり、でんぷん質が少なくなるという事です。
日本酒業界で使われる、YK35と言う言葉は、山田錦を心白まで磨きましたよー。
だから雑味が少なく、旨味をクリアに感じれるお酒ですよという事に繋がります。
全国新酒鑑評会などの出品に多く使用されているのはこのためです。

山田錦(精米歩合35%)

最適精米歩合の推進

精米歩合は、米の品質によっても変わってきますし、磨き方によっても変わってきますが、高品質のお米で、米の形のまま磨く方法では、
「一般米は、70%以上の意味は無し、五百万石などは、50%以上の意味は無し、山田錦は35%以上の意味は無し。」
と考えるのが良いと思います。

これからの時代、精米歩合だけで見るのではなく、米の品質×最適精米歩合なんて考えるのも面白いかもしれません。
日本酒の新しい楽しみ方を求めて。

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