Victim Versus Villain
Villain、それは名付きの悪党たちである。珍妙な名前、奇妙な仮装、非道な犯行。社会のクズどもは、今日も犯罪を繰り返す。
Victim、それは名付きの犠牲者共である。珍妙な名前、奇妙な仮装、過剰な暴行。悪の被害者たちは、今日も復讐を繰り返す。
ー葛飾区某所廃ビル
行方不明になった政治家の捜索。そこまで難しくない依頼だ。俺はおそらくいるであろう敵の姿を確認するため窓辺へ。
俺は35人の黒服とバスターソードを持った鎧騎士を確認する。奴はバーチカル、縦斬り魔として有名なVillainだ。奴の剣戟は発射されたライフル弾を斬り落とす。俺の復讐相手ではないが、誰かのためにやるべきだろう。
俺はメロン柄のマスクをかぶると、へその緒あたりから力を込めた。小さい火花の音が鳴り響き、俺の体に迸るラインが刻まれた。忌々しい。しかし戦うための力でもある。
窓を蹴破り、黒服どもが反応する間もなく、内臓を抜き取り殺す。飛び散る血液、煌めくガラス片、動揺し銃を構える黒服共。全てがコマ送りで遅延している。
飛び散る弾丸の先を変えれば、黒服どもに刺さり、反応の遅れた黒服は、もれなくモツ抜き。35人の黒服を瞬く間に殺し、バーチカルに向き合った。
「なぜ俺たちの邪魔をする!それほどの力ならすべてが思いのままだろ!」
あ??戯言を吐きやがって。全能感に酔いしれるクズどもが!その怒りは俺の原動力となり、バーチカルの一振りに対して5回致命傷を与えた。
拘束された政治家を開放する。ひどくおびえた様子だ。光る血染めのメロンマスクマンと飛び散る内臓や血液を見たら誰だってそうなる。
俺は政治家のスマホを渡し警察に連絡するよう促す。連絡するのを見ると俺は瞬く間に退る。
自己紹介が遅れた。俺の名は『香取テンカ』、もしくは『ヴォルテックス』。2年前、悪の雷を喰らった。恋人は死んで、俺は生き残り、高速で動く能力を持った。
目的はVillainを殺すことだ。
【続く】
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