見出し画像

「つながりは大切だけど、つながり目的の場は話しにくい」を乗り越える場の設計

授業や研修、ワークショップを設計する際に、授業内容だけでなく、そこでどのようなつながりが構築されるかも合わせて検討することは非常に大切です。

コロナの影響で、オンラインで授業・研修がおこなわれるようになったこともあり、新入生・新入社員を孤立化させないためにも、つながりという視点を持って場をデザインすることの重要性はより高まっているといえるでしょう。

とはいえ、「つながりがないから、つながりだけの場を用意する」というのは、実はけっこう難しいことなんですよね。

特に目的やミッションはないんだけど「交流しましょう」ということを目的に集められる場というのは、参加者にとってもふるまいのハードルが高いです。なぜかというと「何を話していいかわからない」ということになりやすいからです。

もちろん「つながり」が、いわゆる「恋愛や結婚」などの場合は、目的がはっきりしているので、ある程度話すことの方向性は見えてきます。しかし、「知り合いとか友達づくり」くらいの場合は、特に難しいのかなと思います。

ではどのように場を設計するといいのでしょうか。

「つながり」を副次的な目的にする

具体的には「つながりを副次的な効果」と位置づけるのがわかりやすい方法です。

「何か」をするために集まった結果として、「つながり」が生まれる

という方が、自然につながっていけます。

「授業を通して友達ができる」というのも、「授業」が主目的にあり、その結果として友達ができているわけですね。別の「何か」がある方が、そこで何をするべきかということが明確なので、参加者はふるまいやすくなります。

「何か」にも、「かっちり度」のコントラストがあり、

・プロジェクトのようにかっちりしたもの
・趣味や関心などゆるめの共通話題があるもの
・共通の悩みや解決したいことがあるもの

など幅広いです。これ以外にもたくさんあります。

このへんは専門的にいえば、実践共同体、関心共同体など、コミュニティの種類に分類できるものと思います。

「何か」の設定はいろいろとできるのですが、いずれにせよ、「何かをするために集まった場」の方が、参加者としても自然に話したり、行動したりしやすいです。

つまり、つながりの場を設計するためには、みんなの真ん中の共通話題になる「何か」を考え、その上で「つながりの余白」をつくるということなのです。

まとめ

今回は「つながりの場の設計」について書きました。

「つながりが必要なら、つながりを目的にした場をつくればいい」と思うのは自然なことなのですが、案外とこれだとうまくいかないということはたくさんあります。

これはワークショップ的な場の設計のコツともいえます。

ワークショップ的な場の設計というのは、ある意味で「主目的(得たい成果)をあえて、副次的な成果に置くこと」ともいえます。

「してほしいことを直接させるのではなく、何かをした結果として、それをする」

という感覚がとても大切なんですよね。

もう少しいうと、

「得たい結果を直接的に真似させてはダメで、その結果が必然的に生まれる原因の追体験になるような場を設計する」

ということになるのかなと思います。このへんは、佐伯胖先生のいう「原因真似」と「結果真似」の話っぽいですね。

ワークショップデザインそのものについては、また別記事で詳しく書こうと思います。

<お知らせ>

先日のオンラインセミナーの詳細がnoteで公開されました。


舘野視点の記事はこちらです。


8月に舘野が企画しているイベントの参加者はこちらで募集中です。



記事を読んでいただきありがとうございます。サポートしていただけたら飛び上がって喜びます。喜びをモチベーションにnoteを更新し続けていきます。