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2020BEST ALBUM 30 ~見えない現代~

年末は音源の整理をしないとどうにも落ち着かない。
今年は特に家に居る時間が多く、Air pods proという自分にとっての久々の音にこもるアイテムが手に入ったこともあって、旧譜、新譜共に聞く時間が多かった。
特に旧譜の方はTwitter上のランキングイベントもあって整理しながらよく聞いた。
音を整理すると改めて自分がどこから来てどこに向かいたいのかよく分かり安心する。
はじめてまともにサブスクで音を聞くようにもなった。CDを入れ替える手間がないのは聞き比べるときには非常に便利(原始人か)

さて2020年。本当に特殊な1年だった。
音を集めていると、よく分かる。
去年までの個人的な趣向を含んだインディーミュージックの全体的な流れを整理すると、
EDM系はほぼ死滅して、Neo Soul系とDream POPとLow-fiの間みたいな音も飽和しはじめている中、ロックが復権しつつあって、しかも政治や状況への反骨も含むのか、ラウドめの展開が来そうという感じがあった。

一転して2020年。前半の自粛期間が長かった期間は、Caribouの新譜に代表されるような音もミニマルでアンビエント寄りという感じで、Conan GrayEthan GruskaなどたくさんのSSWが出てきた。
自粛が明けた後半は本来の流れなのかFontaines D.C.の2ndを皮切りにDovesの復活やProtomartyr、Hypoluxoといったポストパンクアンビエント系のポストロックの要素を感じさせつつ新世代のオルタナティブロックとしか括れないようなバンドがいくつも出てきて、静けさと激しさが共存するような、音としては決して新しくはないけど、うん、これが2020だという展開になった。

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個人的になんとなく音楽を聞き流し気味のここ数年だったので、きちんと評価してみようということを始めて、メタルしか聞いてなかった高校生のころにやっていた評価軸を元にした採点基準をつくり、順位化してみた。評価がしにくいものの基準を分けて総合点で評するというこの黒歴史が、個人的には今現在、設計教育には生きている(笑)

採点基準は、新規性、完成度(捨て曲の少なさ)、キラーチューンの強度、アートワーク、音表現の追求、そしてこれが2020年らしい音か、の6軸各5点で30点満点。目的はいいアルバムかどうかという極めて古い評価軸を用いて、2020を自分なりに定義しようというものだ。分母が354枚。バカみたいな話だけど上位の34枚が28-26点の中に納まった(採点基準の危うさ問題)。
一方で29-30点が出なかったというのは歴史に残るような文句なしのド名盤が今年はなかったといえるかもしれない。(個人的に1位のPerfume Geniusは残ると思う)

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例年に漏れず、音の集め方が特殊なのと、メディア批評にあまり興味がなく、何が話題になってるかとかそういうことがよく分かってないでチョイスしてることもあり、改めてSpotifyでまとめてみると君たち再生階数4桁じゃん。。。みたいのも混じっていたりするけど、これが自分なりの2020年の30枚。とりいそぎSpotifyで1曲ずつまとめました。


来年はポストパンク復興みたいな展開にならないかしらと。The MusicWhitest Boy Aliveが復活しそうな気配もあるし、新人とベテランが拮抗するみたいになったらいいのになと勝手に思ってます。

ロックの歴史を振り返ると70年代後半のニューウェーブ、90年代前半~中期のオルタナ/グランジ、00年代前半~中期のロックンロールルネッサンス+ポストパンク10-15年周期くらいには歴史に接続した盛り上がりがあったので(HR/HMを除く)そろそろ起こりそうかなと。

一方で今年が既にそうだったように、来年はこういう年になりそうだ、というような、歴史の延長線上に想定されうる現代性みたいなものがもはや成立しない時代に突入したということができるかもしれない。

社会の状況があまりに大きく変化していて、来年の今頃はワクチンが無事に効いて元の世界に戻っているのか、より強毒な変異種が誕生してもっと大変なことになっているのか正直読めない中、来年の音楽はどうなっているか、建築は、都市は、、、予想がつかない。みんなが対応に振り回される中、必死で状況に食らいつこうとした結果にしか、現代が何かということが定義できなくなるのかもしれない。

というようなことを思いつつも、今年もいい音にあふれた一年でした。よく聞いた曲たち(100曲くらい)も下記にまとめています。ではみなさま良いお年を。




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