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リンパ浮腫の発症リスク

医療者は、リンパ浮腫発症リスクの高い患者に対し、定期的な外来フォローや患者自身が勉強できるように正しい情報を提供できる体制を整える必要があると考える。

例えば、院内にポスターの掲示(患者が初期症状に気付けるような知識のポイントなど)、パンフレットの配布、書籍やHPの紹介などがある。

以下に、疾患毎のリンパ浮腫発症リスクを挙げる。

【 乳がん 】

・リンパ節郭清をしている。

・リンパ節郭清の程度とリンパ浮腫の発症には強い相関がみられる。

・リンパ節郭清とともに、放射線治療を行うと、リンパ浮腫の発症の可能性が高くなる。

・センチネルリンパ節生検のみの症例でも、リンパ浮腫は発症している。

・ホルモン剤の使用による体重増加は、リンパ浮腫の発症や悪化の要因になる。

【 婦人科系がん 】

・婦人科系がん手術後の下肢リンパ浮腫は平均約5年で発症するが、10年以上経ってからもある。

・子宮頸がんが最も発症率が高い。

・子宮頸がんで骨盤内から傍大動脈リンパ節郭清術を行うと、骨盤内リンパ節郭清術のみに比べ、下肢リンパ浮腫の発症頻度が増加する傾向がある。

・放射線治療を行うと、リンパ浮腫の発症頻度が高い。

(廣田彰男:看護師・理学療法士のためのリンパ浮腫の手技とケア,学研メディカル秀潤社,2012より引用)

退院した患者が、復職など日常生活の負担が増加すると発症リスクが高くなるため、入院中からリンパ浮腫の予防の意識づけは大切である。

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